二ックは蘊蓄屋だ。今曰も「口短調における#の箇所くらい即答できないと音楽家じゃないよ」などと、後輩のぺギ一にいつものようにまくし立てる。
この文章、実は誤字が6箇所も含まれているのですが、すべて気づきましたか……?
記号解説シリーズでは、「記号のよくある誤用」をお届けしてまいりました。本稿では番外編として、知らず識らずのうちに起きてしまうかもしれない誤植をまとめてご紹介します♪
プロでもよくあるミスなので、見分け方をぜひ覚えてくださいね。
ニ・二、へ・ヘ
片仮名の「ニ」と、漢数字の「二」。平仮名の「へ」と片仮名の「ヘ」。この2つは読み方も同じであるため、誤変換を起こしやすいです。Webニュースでも、よくよく観察すると結構間違いを発見できます(笑)。
とくに固有名詞は自動変換で間違われやすいので注意! 「ニ」と「二」は、見慣れるとすぐ見抜けますが、「へ」と「ヘ」はフォントによってはかなり難しい場合も多いので、変換時に細心の注意をはらうのがおすすめです。
ロ・口、エ・工、日・曰、一・ー、O・0、1・l、<・く……
片仮名の「ロ」と漢字の「口」。漢数字の「一」と長音符の「ー」など……。これらは①と異なり、誤変換による入力は発生しないのでまず安心です。
しかし、最近ではOCR(光学文字認識)を利用する人も多いかと思います。OCRによって文字をデータ化すると、ときに形のよく似た別の文字で入力されてしまうことがあります。
便利なOCRですが、使用したときはいつも以上に丁寧に校正したほうがいいかもしれませんね。また、テキストエディタの自動校正機能も活用するのも効率的です。
ここで挙げているのはあくまで一例で、ほかにも似た文字は多数あります。誤植は思わぬところで発生するので、一緒に気をつけていきましょう!
#・♯、×、x
「#」はハッシュタグ記号。「♯」は音楽記号のシャープです。向きが違うだけでそっくりな2つですが、用途がまったく異なるので間違えてしまうとなかなか恥ずかしい……!
和差積商の積の「×」と、欧文の「x」もとても似ているうえ、欧米圏では変換を面倒くさがって「x」で間に合わせている場合も散見します。けれど、やはり適切な記号を使った方が美しい仕上がりになるので、作品内ではしっかり変換を行ってくださいね。
もちろん作品以外では楽な方法でOKですが、習慣化が誤植を減らす第一歩かもしれません!
今回のポイント
- 片仮名は小さめ、平仮名は大きめ
- 肉眼で難しい部分は、自動校正機能を活用
- 日頃の意識改革が誤植を減らす手助けに
ある意味「しょうもない」誤植の数々。日常からゲーム感覚でよ〜く観察すると、目が鍛えられるはずですよ♪