オンライン即売会を知ってから創作がより楽しくなった|エムさんインタビュー

創作活動をされている方のリアルを聞く。今回はエムさんにお話しを聞きました!

――まずは自己紹介をお願いします。

ペンネームがエムで、サークル名が「負け犬ラプソディ」といいます。

――創作活動をされようと思われたきっかけは何だったんですか?

もともと創作活動は10年以上前からやっていて、細々とインターネットに作品を上げていたことが始まりです。

(同人誌の印刷は)何十冊も印刷しなきゃいけないから自分には無理だと思ってたんですけど、今はオンデマンドで1冊だけでも本を作れるっていうことを5、6年前に知って、それで自分用の本を印刷してみました。

――最初は本当に自分用の本として、だったんですね。

はい。一次創作の漫画になるんですが、自分のために描いていて、あんまり人に向けてという意識は強くなかったですね。

最初に利用したのが「San24」さんのワンコインブックっていうサービスで、最大で72ページまで印刷できるものだったんですが、もっと分厚い本を作りたいってなったんです。

ネットでいろいろ調べていたら、「シメケンプリント」さんってところでもっとたくさんのページ数に対応した類似のサービスをやっていることを知って、印刷をお願いしました。

――つくられている作品のページ数は多めなんですか?

長編で、今300ページぐらいになっています。こんなつもりじゃなかったんですけど(笑)。

(同人誌印刷所のWebサイトに)「入稿した同人誌を受注生産して委託販売できます」って書いてあったんですが、詳しく調べていったらオンラインで即売会なるものがあることを知って、それが即売会デビューになりました。

――即売会にはオンラインとオフラインがありますが、オンラインにされたのは?

自分にはオフラインって絶対無理だと思ってたんですよ。私の漫画なんか読んでくださる人がいるんだろうか、売れないんじゃないだろうかと思って。何より人前に出るのが嫌だったんです。

オンラインだったら人前にも出ないしで、原価のかからない電子版を頒布できるし、売らなくてもイラストとか漫画を展示するだけでも参加できるので、すごくハードルが低いんです。イベントの参加費も500円とか1,000円とかで安かったので、軽い気持ちでやってみようと。

初めてオンラインイベントにサークル参加したのは2022年の夏でした。

――オンラインの即売会がなかったら、印刷して頒布がなかったかもしれませんね。

なかったですね。なので、つくっている作品が完結したら自分用に印刷して、ネット上から全部消そうと思ってました。

――全部消しちゃうんですか・・?

いろんな人に作品発表するのはあんまり得意っていうか好きじゃなくて。漫画もネット上にいつまでも残しておくのが恥ずかしいし、なんか消えてなくなるからいいんだみたいな。

自分が今後どうしたいかはまだわからないんですけど、(創作活動を始めた当初は)全部消して最初からいなかった人になるつもりでした(笑)。

とはいえ、即売会にサークル参加をすることをきっかけに、活動の方針が変わりました。

――現在はどういった活動をされていますか?

普段は一次創作の長編漫画を描いていて、年に数回オンライン即売会に参加してます。2023年の参加予定は、今のところ2つですね。

イベントにはずっと同じ作品を持ち込んでいて、160ページちょっとの電子版の漫画を2巻分として頒布しています。それがメインの作品で、3巻が出るのがたぶん来年か再来年かな?って感じです。すごくゆっくりです。

オンライン即売会って展示もOKなので、無料で読めるものがあるので読んでみてね、気に入ったら買ってね、にしています。

――無料と有料の違いはあるんですか?

加筆修正があったり、おまけ漫画ですね。本編がシリアスな事件が起きる系のストーリーなんですけど、事件が起きる前とか、起きなかった世界線の日常パートな短い漫画だったりが読めます。

それと、漫画の画質を良くしています。ネットで公開するとき画像を縮小しないと重いので。

あとコレクション的な意味も含めて欲しい人に頒布しています。いつかネット上からなくなってるかもしれないので、手元に残したかったらという感じで。

買わずに無料版を読んでくださって感想をいただくこともあります。それだけでもすごく嬉しいですね。

なので、よっぽど気に入ったらまあどうぞみたいな感じで、あんまり(積極的に)売ろうみたいな気持ちはないですね。

――なるほど。瞬間的な出会いですね!

そうですね。ご縁のあった方の手元にだけ残ればいいかなと。

――今後オフラインの即売会に参加されることはありますか?

前は出るつもりは全くなかったんですけど、2023年の春くらいから興味が出てきてはいます。

一般参加ならコミティアに3回行ったことがあります。知り合いの手伝いとしてと、出張編集部に持ち込みしたくて。

ただ、すごくレベルが高いというか、私には無理だなって思ってました。プロレベルに上手い人も多いし、お店のポスターだとか敷布、飾り付けとか、細かいところまで気配りしなきゃいけないところとか、どうしていいかわからないし。そもそも、紙の本が用意できていないので。

とはいっても、オンラインのイベントにいろいろ参加してみると、そこで新しくつながった人もいたりして。おもしろい作品や装丁がかっこいい同人誌を買ったりもして、自分も凝った本を作ってみたくなりました。

――お話伺っていると、エムさんは無理だと思っても試行錯誤されている感じがします。

基本的におもしろいと思ったことには突っ込んでいくので。

最初にやってみて大丈夫かなって考えはするんですけど、あとはやってみてから続けるかどうか決めようっていうふうに思ってるので。そんな感じで今に至っただけです(笑)。

――さいごに、もし伝えたいことがあればお願いします!

私はサークル参加とか始めたばっかりでアドバイスとかじゃないんですが、「やらぬ後悔よりやる後悔」って思って色々手を出したら面白かったよって伝えたいです。

あとはありきたりな宣伝ですが、もしご興味がありましたら私の漫画を読んでください!

――お話いただきありがとうございました!

インタビューさせていただくにあたって、いろんな情報をご提供いただいたエムさん。その気づかいさることながら、終始楽しそうにお話されていたのが印象的でした。オフラインの即売会は無理だと思われていたのに、いつの間にか興味が湧いて出て、装丁のかっこいい本をつくってみたいと思うまでに。自分がおもしろいと思ったものに突き進んでいくことで、知らなかった世界を望めることの楽しさを、エムさんから教えていただきました。(Dounats編集チーム)

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