同人誌を作るときに必要になってくるのが表紙です。顔ともなる表紙にはやっぱりこだわりたいですよね。
とは言え、なんとなく見よう見まねでやってみてもしっくりこなかったり、必要な情報が載っていなくて、届けたい人に届けられなかったり。出来上がってしまうと、なかなか修正もしづらいのでバシッと決めたいところではあります。
今回は、そんな同人誌の顔である、表紙をデザインするときに知っておきたいコツをご紹介します。
同人誌の表紙には何を載せたらいいの?
同人誌の表紙の絵だけしっかり見てもらいたい、だから文字は不要!と思う人もいるかもしれませんが、初めてその本と出合った人に対してはやはりちょっと不親切です。
どうしても必要な情報は入れるようにしましょう。必須なのはまずふたつ。
「タイトル」と「著者名」です。当たり前すぎるかもしれませんが、まずここが第一段階。そして、同人誌の象徴となるイラストや写真も用意しましょう。
また、何人かで作ったアンソロジーなら、どういった内容の本なのか分かるように、特集タイトルなどを載せてみるのも良いでしょう。参加した著者名をズラッと並べてみたり、サークルなどであれば、ロゴなどを載せるのも◎。
できるだけシンプルにしたいという場合は、情報が書かれた帯をつけるという方法もありますが、費用もかさんでしまうことも忘れずに。
表紙のレイアウトの定番の組み合わせは?
表紙のレイアウトには、いくつか定番の組み合わせがあります。
ひとつはタイトルとキャラクターの組み合わせです。主人公であったり、物語のキーマンとなるような人物を入れてタイトルを入れます。
ふたつめは、タイトルとキャラクター以外のイラストです。物語に登場するアイテムであったり、イメージするアイテムにタイトルを組みあわせます。キャラクターのイラストよりはインパクトが少ないかもしれませんが、読み終わったあとに、「この表紙にはそんな意味があったのか!」などという仕掛けづくりにも◎
最後はタイトルだけ!潔い表紙とも言えるでしょう。この場合は、イラストなどがない分、タイトルの文字に凝ってみると個性が出ます。また、なかなかタイトルのみの表紙の同人誌は少ないので逆に目立つかも?
どうやってレイアウトを考えるの?
レイアウトを考える上では、いくつかのポイントを抑える必要があります。
【その1】テーマを考えよう!
あなたが書いた同人誌はどのようなテーマのお話ですか?
ホラーならばおどろおどろしい雰囲気を出すのもあり。恋愛モノなら、メインキャラクターを表紙に載せると伝わりやすくなります。テーマはなんとなく分かるけど、どういう表現の仕方がいいんだろう? と迷ったときは、商業出版されている本を参考にしてみましょう。
【その2】最初に見せたいものは何かを考えよう!
表紙の中で一番読者に見せたいものはなんですか?
タイトル? 絵? それとも著者名?
一番見せたいものは左上に持っていくので、あらかじめ決めておくようにしましょう。
【その3】ジャンプ率を意識しよう!
どのようなレイアウトだったとしても、ジャンプ率を意識することが大事です。例えば、文字なども同じような大きさでそろえていると抑揚がつかずにのっぺりとした印象になってしまいます。テーマを考える際に、一緒に参考になるようなデザインをいくつか集めておくといいかもしれません。
【その4】読む人の視線の動きを考えよう!
人の視線は、基本的に左上から右下へ動くと言われています。表紙のレイアウトを考えるときにも、その動きを活用しましょう。つまり、アルファベットの「Z」のような目の動きを意識して、相手に伝えたい情報を掲載すると効果的ということです。
表紙を作るときに気をつけたいことは?
メリハリをつけるために、色を活用するのは大事ですが、あまり多すぎるとごちゃごちゃしてしまい、正しい情報が伝わらなくなります。どういった色の組み合わせがシンプルかつ目立つのかを考えましょう。
そして大事なのが、同人誌の中身と表紙のイメージが合っていること。読者が期待したものとは違う内容でがっかりしてしまう場合もありますし、逆にイメージが離れすぎていて、手に取ってほしい人に素通りされてしまう可能性も。奇をてらうのもおもしろいですが、まずは情報を正確に伝えることに重きを置いて考えてみましょう。
まずは伝えることを大事に
思い入れのある同人誌だからこそ、素敵な表紙にしたい! という思いは強いはず。しかし、気持ちばかりが先走って大切に情報が伝わらなかったら本末転倒です。
同人誌の中身を伝えたい、という思いをまずは大事にしてデザインをしてみてくださいね。