ボーイズラブ略してBL(びーえる)という言葉は、昨今一般的になってきましたよね。
BLとは「男性と男性同士の恋愛」のこと。異性同士のNL(ノーマルラブ)と区別されている用語です。
最近ではテレビドラマで『おっさんずラブ』が放送されるなど、昔では考えられないほど大衆にも認知されています。
今回は、BL(ボーイズラブ)の漫画や小説を読む上で、よく出てくる言葉を紹介しますよ。どれも小説等の読む前の注意書きに出てくる言葉です。しっかりと理解しておくようにしましょう。
BL(ボーイズラブ)とは
BL(ボーイズラブ)とは、「男性同士の恋愛」のことをさします。BLをテーマにした小説や漫画は、異性同士とはまた違った純粋な恋愛が見られると密かに人気です。異性同士の恋愛がマジョリティー。「あいつのことが好きだけど、この恋は実らないかも…」といった切ないシーンもあり、読む人を惹きつける魅力があるのです。
世の中には、完全創作のBLや商業BL、アニメや漫画のキャラクターを使った二次創作のBLなどが普及しています。本は主にオンライン通販やBL専門の書店で販売されており、ネット上ではpixiv等で見ることができます。
BLが好きな人を表す用語
BL(ボーイズラブ)が好きな人を表す言葉があります。基本的にBLを読むのが好きだと公言する人は少ないです。間違っても公の場で「もしかして…」と聞かないようにしましょう。
腐女子(ふじょし)
BLが好きな女性のことを腐った思考を持つ女性、通称「腐女子」と呼びます。自分から「私、腐女子だからさ」とはあまり言わず、「私、腐ってるからさ」と言う方が多いかもしれません。
年齢によって呼び方は変わらず、基本的に「腐女子」で統一されています。
ちなみに異性同士の恋愛をさすNL(ノーマルラブ)好きのなかでも、2次元の特定の男性に恋をする女性は「夢女子」と呼ばれます。
隠れ腐女子
「隠れ腐女子」とは、自分が腐った思考(BL好き)をひたすらに隠している女性のことです。昨今、BLが一般的になったとはいっても公言はしづらいもの。周囲の目線が気になるため、BL好きだとは言わない人も多いです。
隠れ腐女子は徹底的に買っているBL本などを隠すなど、自分の秘密を守ります。決して暴かないであげてくださいね。
腐男子(ふだんし)
「腐男子」とは、男同士の恋愛を見るのが好きな男性のことです。3次元の腐男子がみんな同性愛者という訳ではなく、あくまで読み物として好きな場合もあります。
作品の中に登場する同性好きの男性のことを作者が腐男子と定義しているケースもありますよ。
登場人物の関係性を表した用語
BLが描かれた小説や漫画に登場する人物たちの関係性を表す用語として、よく出てくる用語の意味を解説します。
攻め
2人のキャラクターがいたとしたら、肉体関係、精神的な関係ともに優位に立っている方をさします。一般的に挿入する方が「攻め」。キャプションに〇〇攻めと書かれていれば、そちらが挿入する側です。攻め以外には、左右の「左」やタチネコの「タチ」で表されます。固定のカップリングがある場合「〇〇×△△」と表記される場合もあります。このとき、左にある〇〇が攻めになりますよ。
受け
2人のキャラクターがいたとしたら、肉体関係、精神関係ともに劣勢…押されている方が「受け」になります。挿入される方、ですね。左右でいう「右」やタチネコの「ネコ」で表します。固定のカップリングがある場合「〇〇×△△」などと表記され、この場合は△△が受けになります。
誘い受け
通常、攻めが誘ったり押したりなどして受けがそれを受け入れる形です。「誘い受け」とは、受けが積極的に「行為」がしたいと誘って攻めを煽り、攻めに押し倒してもらうことをさします。たまに誘うなど精神的に上は攻めであり受けでないという意見もあるため、読みてからのクレームを避けるために書き手が注意書きとして書いていることが多いです。
カップリングを表す用語
カップリング(CP)とは、作品に登場し恋愛するキャラクターの組み合わせのことをいいます。「〇〇くんと△△くんの恋愛が見たい」と思った人が検索しやすいように設定されています。反対に、「その組み合わせは見たくない!」という人が検索に出てこないように自衛する要素にもなっています。
自カプ
自カプとは、「自分が推しているカップリング」という意味です。カップリングだけでなく、どちらが攻めか受けかも決まっている場合が多くあります。その場合攻めの名前は左に、受けの名前は右に置きます。〇〇×△△の間にある「×」を省略して「〇〇△△」のように記載するケースもありますよ。
CP固定
CP固定とは、ある2人のキャラクター同士が必ず恋に落ちることです。たとえば、AとBとCとDという4人の男性が登場する場合。AとB、CとDがそれぞれのCPとなっているとき、このカップリングは固定のため、AはDとは肉体関係になりませんし、BもCは肉体関係になりません。
自分の推しCPが「他のキャラクターと関係を持ってほしくない」人が、読むのを避けるためにCP固定の表記を判断材料としています。
左右固定(◯◯×△△)
左右固定とは、同じCPのなかでも「攻めと受けが固定」されており、攻守交代しないことをさします。〇〇は必ず攻めであって欲しい。△△は受け。という人が地雷(自分が求めていない作品)を踏まないために自衛する材料として使っています。
読み物のキャプションに左右固定という用語が書かれていたら、そのお話は受けの人物が攻めることはなく、攻めの人物が受けに回ることもありません。
リバ、逆カプ
リバ、逆カプとは、基本は〇〇×△△としつつも、△△×〇〇の描写や肉体関係があることを意味します。左右固定の人は避けるべき用語ですね。こういうときは、注意書きに「なんでも許せる方のみ」という言葉が書かれているケースが多いです。
たまには逆パターンも見てみたい!という方はのぞいてみてはいかがでしょうか。
「〇〇△△〇〇」と名前がサンドされているケースもあり、その場合は〇〇が攻め、△△が受けだが△△が〇〇に挿入することもある…という意味になります。
総攻め、総受け
総攻め、総受けとは、あるキャラクターがどのような組み合わせで肉体関係になるとしても、「必ず攻めになる」または「必ず受けになる」という意味です。この場合登場人物は2人だけでなく、1人対複数人になります。主人公(腐男子)が他のキャラクターたちと関係を持つ…といったようなストーリーが多いですね。
BLのジャンル
BL(ボーイズラブ)には、ジャンルがあります。だいだいキャプションに記載されており、ストーリーの全体的な流れがあらかじめわかるのです。好きな題材がある方は、その名前で検索していますよ。
ヘタレ攻め/受け
ヘタレとは、頼りなく非常に情けない人という意味です。臆病で弱いキャラクターが、強気のキャラクターを攻める様が好きな人や、反対に受けになっているのが好きという方が好むジャンルです。
わんこ攻め/受け
わんこ攻め/受けというのは、犬のように従順でまっすぐな男性が攻めたり、受けになったりするジャンルのことです。ケモノと人が合わさった「獣人(じゅうじん)」とは違いますよ。
おやじ攻め/受け
おやじ攻め/受けとは、文字通り中年の男性が攻めたり受けになったりするジャンルのことです。コアですが地味に人気があります。
この場合「おやじ」とは実在するキャラクターのことではなく、作り出された人物に適用されます。(おやじ×既存キャラクターなど)
年上・年下攻め/受け
年上・年下攻め/受けとは、攻めと受けが年上か年下かで決まっているジャンルを意味します。年下が優位になる展開が好きな人や、年上が受けにまわる展開が好きな人が検索で使います。
ショタ
ショタとは、少年という意味です。幼い男の子と相手が関係を持ちます。
ショタ攻めや、ショタ受けがあり、他にもおじさんと少年が関係をもつ「おじショタ」や「ショタおじ」という用語も。
何も知らない男の子が目覚めてしまうのがよいとかよくないとか…。
ノンケ
ノンケとは、同性が好きな男性の間で呼ばれる、女性が好きな男性のことです。「non気(その気がない)」という言葉から生まれたとか。
ゲイが異性愛者と関係を持つお話を読みたい方が、検索するワードです。僕は女の子が好きだったはずなのに…というストーリーがよいのだとか…
スパダリ
スパダリはスーパーダーリンの略です。相手の男性が高収入で容姿端麗、そして大人の余裕があり包容力があることをさします。全体的に甘い話が多いです。
スパダリに受け側がほだされるのが好きという方がよく好みますね。
オメガバース
オメガバースとは男性と女性の他にある、第2の性「アルファ/ベータ/オメガ」がある世界線のお話です。
- アルファ
- 上位階級で成績優秀、身体能力も高い傾向にあり人気が高い
- ベータ
- 中間層。アルファやベータのような特徴がなく、人口も多い
- オメガ
- 立場は弱く、定期的に発情期(ヒート)というものがあり、その時期はフェロモンが生じ、アルファやベータの性欲を刺激する
オメガはフェロモンを出しますが、アルファがオメガのうなじ等を噛むと「番(つがい)」となり、それ以降はフェロモンを発さなくなるという設定もあります。
派生したものに「Dom/Sub」や「ケーキフォーク」もあります。どちらも体質的に攻めや受けが決まっているジャンルです。
BL用語の意味を知り、自分の好きな作品を見つけよう!
BL(ボーイズラブ)の意味や、よく出てくる用語の意味をご紹介しました。
知っておくと自分の好きな作品を見つけやすくなりますし、反対に苦手な作品を避けることもできますよ。
色々な作品を見る際に、キャプションを読んでからお話を読んで見ることをオススメします。
自分の好きなジャンルや傾向を見つけて、BL作品を楽しみましょう。