「記号の表記ってな〜〜〜に?!」
この表記に違和感を覚えなかったあなたは要チェック⁉︎
縦書き or 横書き、紙媒体 or ウェブ媒体、小説 or 漫画などなど……。シチュエーションによって、適した表記の仕方は異なることもしばしば。絵描きさん・物書きさんのみなさんも、知っておいて損はないのが記号の話です。
本シリーズでは知っているようで知らない、文章中の記号の選び方についてシェアします。今回は「〜」(波ダッシュ・波型)です!
波ダッシュ・波状ダッシュとは?
「そんなこと言われてもさ〜」といったように、カジュアルなセリフ内で頻出する「〜」(波ダッシュ・波型)。1つだけ使うときは、この「〜」でもちろんOKです。しかし、「なんだと〜〜〜!」のように、続けて使いたいときは「〰」(波状ダッシュ・ウェイビーダッシュ)をぜひ使ってみてください。
「〰」を打てない方はコピペしてみてくださいね!
たくさん並べてもスッキリ!
SNSでのコミュニケーションなどでは気にする必要はもちろんありませんが、作品となると話は別。特殊な意図がなければ「〰」を使ってみていただけると、プロっぽい感じに見えますよ。
波状ダッシュは組み方向に注意!
ただ、横書きと縦書きを自動で処理してくれない可能性があるのが注意点。気づかないと、次の画像のような状態になってしまうかも……!
組み方向を前提にテキストを整えよう〰〰。
WordやInDesignなどでの文字組み時に、「〜〜」や「〜〜〜」を正規表現で抽出して、まとめて変換・回転するか、縦の波状ダッシュ「⌇」を使うのが良さそうです。
波ダッシュに似ている「全角チルダ」
さらに「〜」は単体でも実はなかなか厄介な存在。「〜」と「~」ではまったく差を感じられませんが、実は前者は「波ダッシュ」で、後者は「全角チルダ」なんです。
普段見た目上で問題になることはなかなかありませんが、正規表現での検索時にひっかからなくなったり、文字組みの際に挙動が異なる可能性があります。とくに縦書きの際は、波の向きが反対になってしまうおそれがあるのです。
横組み時の向きから右に90度回転した形はNG
最近のソフトでは自動的に正しい向きのものに調整してくれることが多いものの、気にしたことがなかったという方は、一度チェックしてみてくださいね。
チルダは「約」や「近似」という意味
ではでは、チルダとは一体なんでしょうか……? チルダの正体は「Ã」のように、ラテン文字の上に付く符号。あるかないかで発音が変わったりします。
単体で使う場合は、「約」という意味が。数学記号での「近似」から来ており、欧米で「~50% off」と書かれていたら、最大50%オフではなく、だいたい50%オフということになります。ぜんぜん意味が違うので驚きですよね。
また、「〜TITLE〜」と、タイトルを作る際に波ダッシュや全角チルダを使ってしまっていませんか? 日本語なら好き好きかもしれませんが、欧文の場合には避けたほうが良さそう。
今回のポイント
- 日本語では「〜」(波ダッシュ)を使う
- 波ダッシュを連続して使うときは「〰」(波状ダッシュ)を使う
- 波状ダッシュは組み方向に注意
- 欧文のチルダは波ダッシュとまったく別物
想像以上に奥深〜い記号の世界。けれど、文字組みの「やっちまった!」は記号絡みが多いものですから、知っているだけで未然に事故を防ぐことができますよ。