同人と言えば便箋だった頃から続くファン活動|星宮真希子さんインタビュー

創作活動をされている方のリアルを聞く。今回は星宮真希子(ほしみやまきこ)さんにお話しを聞きました!

――まずは自己紹介をお願いします。

星宮真希子と申します。個人サークル「うたのしずく」で、二次創作中心で活動しています。

――現在どういった活動をされていますか?

主にイラストと年に1冊から2冊ぐらいの同人誌を作っていして、ジャンルが30年ぐらい前のアニメや漫画になります。

4年くらい前からリアタイ世代(=リアルタイムで作品に触れた)の方とネットで出会って思い出話に花を咲かせたり、大人になって作品を見返してみて「あのキャラのこういうところ良かったよね」と楽しく交流したり、のんびり活動しています。

――創作活動をされようと思われたきっかけは何だったんですか?

小学生のとき初めて親に連れていってもらったアニメイトさんで、公式ではないアンソロジーといった商業誌を見て衝撃を受けて、自然と好きな絵師さんができた感じです。

二次創作という言葉すら知らない時で、当時の流行りものが「グラデーション便箋」だったので、一番最初は本ではなくて自作の便箋でしたね。原稿用紙のことも知らなくてコピー用紙に適当に線を引いて、初めてコンビニのコピー機の扱いを教えてもらって、コピーして友達と交換会するといったこともしていました。

高校生のとき漫研でして、部誌として年に1回だけオフセット(印刷)で出していましたが、先輩が率先して印刷所を選んでだったので、自分で作ったという感覚はあまりなかったですね。誰かの本にゲスト参加させてもらうぐらいの感覚でした。ちなみに当時の本はまだ手元にあります。

そこから描いたり描けなかったり、読む専の期間があったりします。

――それは素敵ですね!ご自身で本を出されたのは最近ですか?

そうですね。ふと思ってネットで検索したら、まだ(二次創作の)活動してる方が何人かいらっしゃったので、ちょっとその作品を見るだけのつもりがズブズブと沼にハマってしまって、自分でも出してみようという心境に初めてなったんです。

「自分で装丁を選んで個人誌を作る」という意味ではテンションが上がりましたが、「自分の絵が本になった!」という感動は残念ながら(個人誌の時は)あんまりなくて、ちょっと惜しいことをしてしまったかもしれなかったです。部誌よりも先に個人誌を作ればよかったなと思っています。

初めて参加した大阪のイベントが(コロナの影響で)緊急事態宣言が明けた次の日で、1時間に1回(一般参加の方が)通るかの状況だったんです。手に取っていただけるのか心配していましたが、遠路はるばる東京から(私のサークルをチェックして)来てくださった方がいて、机に並べた作品「全部1冊ずつ」とお願いされたのは貴重な体験でした。(初めてのサークル参加なのに)気持ちよく挨拶してくださる(同じジャンルのサークル参加の)方が何人もいらっしゃったのも嬉しかったですね。

3年前からピクスク(pictSQUARE)さんでオンリーイベントの主催もさせてもらっていますが、(参加したいイベントが探しても)なかったので思い切って始めました。パンフレットをイベントの思い出になると思って作って、ネットプリントで配布してみたら思ったより印刷されていて。やろうと決意するまでは長いのですが、「スイッチさえ入ってしまえば突撃する」ような怖いもの知らずなところがあります(笑)。

有難いことに「イベントよかったです」とメールをいただいたり、(pictSQUAREのイベント会場内に設置されている)書き込みボードの返信に追われたり、当日はだいたい徹夜になりますがやってみると楽しいですね。

――二次創作されるときに意識されていることはありますか?

マンガやアニメをあらためて全部見直して、キャラクターへの解釈を自分なりに整理します。今でも書いていても「これはどうかな?」と思ったときには、原作に立ち返ってセリフ回しなどを勉強し直して、あまりにも(原作から)かけ離れないように意識していますね。

あと私がハッピーエンドが好きなので、悲しい話は書かないようにしています。好きなキャラクター2人とも子供時代が悲惨だったので、もう悲惨なものは見たくないなって。ほのぼのかハッピーエンド系しか描かないと決めていましたね。

それとネームに行き詰まったらシンプルに考えて、追い詰められたらいったんリセットします。

自分で勝手に思っていることですが、描いているうちに欲が出てくるものだと思うんです。「もっとよく描けるはずだ」と。それは絶対に持ってた方がいいと思うんですが、だんだん自分が描くときに追い詰められて楽しくなくなってしまいます。(そのままの気持ちで描き続けた結果)読み手の方に「楽しくないという気持ちが伝わってしまう」ことが一番怖いですね。

「自分が楽しくなければ楽しい作品は描けない」というのが持論です。

――イベントはオフラインとオンラインとで何か違いを感じますか?

そうですね。リアルイベントは絶対新刊落としたくないのですが、オンラインは新刊を出さないこともあります。それぞれ良いところがあって同じにしてはいけないのですが、リアルだとお洒落もしてネイルもしてお出かけしてという特別感じがします。

実は持病があってあまり外出ができていないので、オンラインイベントを主催しているところもあります。近場でリアルのオンリーイベントが開催されるのであれば全然出たいですけど。

――さいごに、もし伝えたいことがあればお願いします!

もしご興味があれば個人サイトを持っているので、そこからいろいろ作品やイベント情報について見ていただけると嬉しいです!

――お話いただきありがとうございました!

昔ハマっていた作品をまた思い出して始まった同人活動。1人のファンとして声をあげてみたら、思いもよらない出会いが。インタビューを通して作品へのリスペクトを感じました。(Dounats編集チーム)

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