ガラケーで文字を打って始まった物語は続く|真北理奈さんインタビュー

創作活動をされている方のリアルを聞く。今回は真北理奈(まきたりな)さんにお話しを聞きました!

――まずは自己紹介をお願いします。

真北理奈と申します。オリジナルと二次創作の小説中心で、「ロザリアは笑う」というサークル名で活動しております。

――創作活動をされようと思われたきっかけは何だったんですか?

姉が15歳から同人活動をしていたのですが仕事の関係で引退しまして、その漫画の画材や原稿用紙を引き取りました。そのとき「漫画を描いてみたい」と思ったのですが全然漫画が描けなくて。

高校受験の合格祝いでガラケーを買ってもらったときに、今はあるかどうかわかんないんですけど「モバイルスペース(モバスペブック)」っていう小説投稿サイトを見て、こういう小説を書きたいなと思ったのがきっかけです。

パソコンで小説を見ることができるサイトが多かったので、ガラケーでパソコンのサイトを見ることもできましたが「パケット放題」の対象外で、ガラケーで小説を書いてみたっていう人は多かったですね。

ずっと親指で「あ→い→う→え→お」「か→き→く→け→こ」と送りながら変換していくので、とても大変でした。予測変換とか造語・創作用語みたいものはフルに登録して工夫していましたね。

――たしかに、当時そうでしたね。現在はどういった活動をされていますか?

今「小説家になろう(以下、なろう)」で連載しているのが、ガラケー時代の物語の改稿版を書いています。小説ランキングもあったんですけど1回だけトップ3に入ったり、読者の方から感想いただいたり面白かったって言っていただけるようになりました。ファンタジー物や青春物を好んで書くことが多くて、今は群像劇を連載しています。

小説は手に取るまでハードルが高いのが正直あるので、極力低くして誰でもパッと読んで面白く何か感じてもらえるようにと、いつも心がけてます。例えば、一般的に「序章、一章、二章…」で順番に読まないといけないんですが、三章から読んでも前回までの流れは分かるようにしたりとか、一話完結に近いかもしれないですね。

――本として印刷されることはありますか?

完結まで全文公開していて、完結後に本にしています。Webのほうが先で、本は後ですね。どうしても「(長文になると)Webは読みにくいけど、本だと読みやすい」というお声も頂くので、Webで試しに読まれた方が本を買ってみましたという人もいて有難いところです。

――「小説家になろう」はどんなところですか?

『転生したらスライムだった件』や『リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)』は「なろう」からの派生です。今話題になっている異世界転生は「(俗に言う)なろう転生」で連載して、ランキングのトップが書籍化だったりアニメ化だったりされています。(異世界転生以外にも)恋愛ものだったり学園ものだったり、コラムや批評を書いてる方もいらっしゃいます。

大勢の人に見てほしいっていう方が向いていて、読み手側も読みやすい作りにもなっていますね。クリエイター側の還元が「なろう」には一切ないのも特徴です。作品を非公開にすると読んでもらえなくなってしまうので、公開された瞬間からランキングに自動参入されることが基本になります。

――となると、小説を書くことがライフワークになっているんですね。

空いた時間に小説を書くので、ライフワークになってますね。自分なりに執筆スタイルが完全に出来上がっていて、(仕事が営業職なので普段から)本来だと8時間かかるものを4時間ぐらいで終わらせて後は時間余らせて身体を休めながら、あわよくば創作にと思っています。

執筆はルーズリーフのノートに手書きをしてから文字に起こしていて、(手書きの物を声に出して)録音してメモで書き取ったり「これいらないかな」ってしながら清書しています。

――なるほど、おもしろいやり方ですね!イベントには参加されていますか?

オンラインのイベントが大体土日なので、仕事や宣伝の関係上ほとんど出られないですね。夜から始まって次の日の夜までであれば夜だけ参加できるので、積極的に交流したりはします。

オフラインも土日が多いので、(有給休暇を申請して)一年のうち対面で2回出たほうがまだ良いのかなと思っています。平日開催のイベントがあればオンラインのイベント参加もありますが。

普段はTwitter、Discordで交流していて、自分とその周りが予定が合わない方なので、夜に開催する交流会は積極的に顔を出しに行ってます。

――さいごに、もし伝えたいことがあればお願いします!

私のサークル「ロザリアは笑う」では、ジュブナイル向けやダーク・ファンタジーで活動していて、通販で(古い作品ですが)完結している本もありますので、ぜひ覗いてみてください!

あと、家電量販店でも創作向けのハードや便利なソフトが多くなってきているので、リサーチがてら店員さんとお話ししてみるのもおすすめですよ。

――お話いただきありがとうございました!

今や外出先でも小説を読むことができますが、その原点はガラケーにありました。どうすれば読者にとって読みやすいかを探求しつづけられているのは、ガラケーからの教えなのかもしれませんね。(Dounats編集チーム)

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