仕事でなければ、だいたい家で引きこもっているのだけれど、友人に声をかけていただいて山登りに行ってきた。
標高がたいたい300mぐらいなので、登山というより、ハイキングと言ったほうが正しいのかもしれないけれど、普段、そんなに運動量が多くない者としてはなかなかである。
途中、見晴らしの良い場所でお昼を食べた。外で食べるとどうしてあんなにおいしいんだろう。
結局15kmぐらいは歩いていたみたいで、帰ってきてシャワーを浴びたあとはしばらく動けなかった。疲労で。よく考えたら、肉体的疲労ってあんまりないんだよなあ、ということに気がついた。なんだか心地よい。
歩いている最中は風がさわやかで、日ごろの悩みがどうでもよくなった。きっと明日になったらまた小さなことでクヨクヨしているんだろうけれど、一瞬でもその悩みから解放される瞬間があるなら悪くはない気がする。友人らは日常的に山に登っているんだけど、「週に1度は登りに行かないと具合が悪くなる」と言っていた。それはそれで大変そう……だけれど、体をしっかりと動かしたり、自然の風、光を受けることはとても大事なんだろうなあ、ということを改めて感じた。
行き詰ったときは散歩に行く、という人も多いけれど、わりと理にかなっているのかもしれない。山には登れないとしても、もう少し、目的なく歩く時間があってもいいのかもしれない。
それはそうとして、とんでもない筋肉痛は避けて通れなさそう。
Text/ふくだりょうこ