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『光る君へ』がシンプルに楽しい。【ショートコラム】

仕事で毎週、大河ドラマ『光る君へ』のレビューを書いている。実は去年も『どうする家康』のレビューを1年間書いていた。『鎌倉殿の13人』は途中から。

いやあ、『光る君へ』おもしろい。観ながら「あと○分で終わってしまう……」と惜しく思うのは久しぶりかも。主人公は紫式部で、藤原道長と実は恋仲だった、という設定だ。もちろん、恋愛だけではなく、時の権力争い、都での出来事が描かれており、1話1話がかなり濃密。そして、「この設定が『源氏物語』に生きてくるのか」だとか「この伏線はたぶんあの出来事だな」と分かりやすい伏線と、あとから気づく伏線、両方あるからなのかな、とワクワクするのかな、と思う。

3年連続で視聴してみて感じるのは、1年に渡るドラマの物語の構成は、創作に関してすごく役に立つということ。1話だけおもしろくても、中だるみしたり、最後ががっかりだと後味も悪い。いかに1年間、視聴者の心を惹きつける物語を作るか。これは誰にでもできることではなく、並大抵の作り込みではないんだろうな、と想像する(それは朝ドラにも言えることだと思う)。

ドラマはわりと観ているほうだと思うのだけれど、創作をしている人にとってはきっとドラマに限らず、どんな作品に触れても無駄になることはないんだろうな、と思う。

Text/ふくだりょうこ

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