どんなに気をつけていても、後から発見される誤字脱字。文字を書く方なら「やっちまった……」経験はあるのではないでしょうか。
SNSでの気軽な投稿でも毎日のように目にしますよね。最近は残念ながらネットニュースで見かけることも多いことも指摘されています。
自分以外の投稿だとけっこう気になる誤字脱字ですが、自分の投稿に限っては見落としがち。フォロワーさんからの指摘で気づくという方も。
ネット上であれば投稿後に編集できるSNSもありますし、Xのポストやライブ配信へのコメントはどんどん流れてしまうものなのでさほど神経質になることもありません。
ただ、同人誌などの印刷物での誤字脱字は痛恨の極み。頒布前に気づいて擦り直すのも金銭的な負担が大きいですし、頒布後であればもうどうすることもできません。
誤字脱字をなくすのは物書きの究極の目標です。工夫をしながらまちがいゼロを目指してみましょう。
自分が書いた文章は“目が滑る”
自分が書いた文章の誤字脱字を探すのは実はとても難しいのです。
それは、「何を書いたかわかっているから」しっかり文字を読まなくても内容を理解しているのでスラスラと読めていってしまう、まさに目が滑る状態。
このような文章が一時期ネット上に出回り大きな話題を呼びました。
『こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
ちんゃと よためら はのんう よしろく』
よく言葉を見ると文字の順番がめちゃくちゃですが、完全に読めてしまいますよね。
つまり、多少の誤字脱字は文章の理解に大きな影響を与えません。むしろ上記の文章は多少ではなく9割誤字です。誤字脱字がなくならないのも納得してしまいますよね。
誤字脱字ゼロの5つのチェック方法
方法1:時間を置いてから確認する
文章を客観的に読める状態になってから校正するというのも、シンプルながらに効果的。書いた直後に見つからなかったミスを発見することができます。
方法2:音読する
文章を読むというより、文字を読むに徹して、声に出して文字を読み上げます。外での作業だと難しいですが、脳内音読でも効果はあります。
方法3:紙に出力してマーカーチェック
圧倒的にパソコンやスマホの方が目の滑りやすく、紙の方がしっかり文章を読み込むことができます。書き込めるのも大きなメリットなので、「誤字がないと確認したら蛍光ペンでラインを引く」という作業はアナログですが効果的です。
方法4:校正ツールを使う
Wordソフトや各種サービスの校正ツールは、とても有能。誤字か表現か曖昧……というのも全部炙り出し可視化してくれるのでおすすめです。
一つの作品内で同じ言葉を「漢字にする(閉じる)」「ひらがなにする(ひらく)」を統一するのは基本的には鉄則ですが、「あれ? さっきはどっちにしていたっけ」と思うことってありますよね。気付かぬうちに混ざってしまっていることも多いと思います。
校正ツールはそんな“表記のゆれ”をめざとく探してくれるので、とても便利ですよ。
方法5:順を追わずにランダムに読む
これも“目が滑る”対策。また「内容を吟味」しすぎると誤字脱字を見逃してしまいがち。ストーリーの確認とタイピングミス探しは、まったく別のものと考えましょう。
そのためには、「最初から読まずにランダムにブロックごとに読む」という方法がおすすめ。
パッと開いたページを、前中後の3分の1ずつに区切って、1ブロック確認してチェックマーク。またランダムに開いたページのブロックを読むという方法です。
とにかく焦りは禁物
誤字脱字の原因は基本的には注意不足。ただ、筆が乗ってるときはガンガン書き進めたいですよね。というわけで、誤字脱字チェックのときだけは余裕を持って、集中できる環境を作りましょう!