小説が好き!書きたい!読みたい!そんなユーザーさんたちに向け、たくさんの小説投稿サイトが運営されています。
そのうちのひとつが、カクヨム。小説家になろうと並び、Web小説サイトの代名詞とも言える大手で、書き手・読み手ともに多数のユーザーを抱えています。
今回は、そんな『カクヨム』の特徴や魅力をご紹介していきます。
カクヨムって、どんなサイト?
KADOKAWA・はてな共同開発のWeb小説サイト
カクヨムは、2016年2月29日に正式オープン。運営は、言わずと知れたあのKADOKAWAです。(はてなと共同)
そのKADOKAWAは、書店などを通じたくさんのノベル・コミック・映像を届けてくれた角川書店が前身となっています。
KADOKAWA、そしてカクヨムの、大きいエンジンのついた船のような安心感……その根元にあるのは、これまでに楽しい時間を提供してくれたことの信頼感の高さかもしれません。
書くにも読むにも集中できる画面・使い勝手
自宅でみっちりPCに向かう執筆もあり、移動中にスマホで執筆するもあり、執筆スタイルも多種多様になってきました。では、カクヨムで書く場合はどうでしょうか?
Webブラウザから、直接カクヨムのフォーマットに執筆できます(カクヨムViewerアプリは閲覧専用)。
機能としては、章分け、エピソード管理、中途保存、書き上げた作品の一括ダウンロードなどが実装されています。一括ダウンロードは、後からまとめて漢字の開きを修正したい、どこかに投稿したい、といったときに大助かりです。
書いた文章を投稿するときには、タイトルやあらすじのほかに、作品のキーワードともいえるタグの設定ができます。「冒険」「恋愛」「学園物」等、作品のアピールポイントを設定すると、これから読む小説を検索しようとしている読者さんに届けやすくなります。
タグ機能とは別に、セルフレイティングの項目も用意されています。「残酷な描写」「暴力の描写」「性描写」が該当し、基準はR15相当とのこと。読者さんに安心して読んでもらえる機能がついているのは、書き手としても安心できますね。
紙本と同じく縦組み表示や読んだ文字数が確認できる
読み手としても、使いやすい機能が充実しています。
「エピソードを選択」→「ビューワー設定」から、文字の大きさ、背景色、フォント、そして縦組み横組みが選べます。地味なことかもしれませんが、ユーザーの小さな要望も組みこまれて使い勝手アップ、というのは嬉しいところです。
特筆すべきは、小説を閲覧するときに縦組み横組みが選択できること。読み慣れた紙本と同じように楽しめますよ。
また、カクヨムに会員登録しログインした状態なら、どのくらい読書していたかの文字数がカウントされていきます。月初にリセットされますが、素敵な作品に浸って過ごした証が山のような文字数をつくっていくのは、なかなか楽しいサービスだと思いませんか?
読書記録を見返したとき、自分の本棚に好きな本を並べていくような感覚になれるかもしれませんね!
小説を投稿した後もバッチリ楽しめる!
宣伝で伸び悩み…そんなときにありがたい「自主企画」
たくさんの作品とユーザーが集まるカクヨムの基盤の大きさは、利用していて頼もしい限り。ですが規模が大きくなると、どうしても膨大な作品数に埋もれていくことに。
自分の作品を読んでもらえない、というのはなかなかの悩みの種です。そのため活発に宣伝活動を……となったとき、個人ではなかなかうまくいかないと感じることもあります。
そこで書き手同士で盛り上げていこう!とユーザー主体で取り組める場が用意されています。
「自主企画」と呼ばれるこちらは、ユーザー有志主導で期間を決め、開催されるもの。ジャンルや萌えワード、推せる設定、世界観、それぞれの特色を看板に掲げ、様々な参加作品と出会えるお祭りのようになっています。
年に一度のビッグイベント!「カクヨムコン」で腕試し
常時目白押しになっているのは、自主企画だけではありません。カクヨムサイドでも、テーマに沿った作品ピックアップやコンテストを開催しています。
そのなかでもビッグイベントなのは、年に一度開催される「カクヨムコン」です!
平たくいうなら恋愛、ファンタジー、SF、ホラー……などなどなんでもござれ。各ジャンルの部門毎に、あなたの書いた作品で参加できます!長編・短編お気軽に!という投稿祭り。
読者選考にも力が入っており、読み手も書き手も参加できるイベントです。
年末を挟んだ3ヶ月の間が投稿受付期間ですので、そこに合わせて投稿を開始するのもよし、すでに投稿済みの作品で応募するもよし。
コンテストから書籍化されたりメディアミックスされたりと、プロへの道もひらかれています。ひとつの作品が様々なかたちに花開くことも多く、動いたり声がついたりと次から次とへ楽しみが尽きません。
カクヨムで読書が捗る理由は?読み専にも優しい機能満載
ワンアクションで作者に伝えられる「ハート」「★」
投稿する側は気軽に感想を言ってほしい、と思うものの、ハードルを感じる読者さんもいますよね。
カクヨムの評価システムには、そんな方にも安心して使ってもらえるものがあります。各エピソード毎に「ハートで応援」、作品毎に「★でおすすめ」できるのですが、ワンアクションで気軽に作者さんに気持ちを伝えられます。
もちろん、文章をしっかり綴ってのおすすめレビューやひとこと紹介も投稿できるので、作者さんやほかの読者さんたちに昂ぶった気持ちをお披露目することも可能。熱が入りネタバレに抵触してでも語りたいことがある!となったときのために、内容を隠すかどうかも選択できます。
特に、カクヨムではイラストが掲載できない分、読者さんからのおすすめレビューが強力なアピールポイントになります。推し作品をガッツリ推している手ごたえを、すごく感じやすいサイトです。
これは投稿ユーザー側の話ですが、読者さんから何かしらアクションがあったときに通知が届きます(要設定)。自分の作品が誰かの目にふれ、心にもふれたのだと実感できるのも嬉しいところです。
推したい!をかたちにしてくれる「サポーターズパスポート」
もっと応援したい、と思ったときのために、月額制のサービス「サポーターズパスポート」もおすすめです。応援したい作家さんにギフトを贈れる、いわゆるおひねりや投げ銭に該当するものです。
コース料金は、贈った側も受け取った側も気負わずに済むくらいの金額に設定されています。ちなみにギフトのみの追加購入も可能です。
こちらのサービス、広告の非表示や作家さんの限定ページを閲覧できるなど、ギフトの贈呈以外の特典も織り込まれています。作家さんを応援できるうえに、サイトも使いやすくなる。読書時間がどんどん快適になっていきそうです。
実際使っている人の感想は?
SNSでも気軽に交流できる作家さん同士のつながり
投稿を続けていくには、自分のペースに合い、その上で相性のいい読者さんの目につきやすいタイミングを見つけられるのが一番ですよね。
ひたすら更新していくのに疲れた……というときは、一度立ち止まってみるのも一手。カクヨムユーザーはSNS上でのやりとりも盛んなので、アカウントをお持ちの方は一度検索してみてください。
宣伝だけでなく、作家さん同士での情報交換や交流も見られ、リフレッシュされる方もいらっしゃるようです。こうした書き手同士の交流が楽しめるのも、多数のユーザーが利用するカクヨムならではと言えるでしょう。
運営がキチンとレイティングチェックを行っている安心感
筆者はカクヨムを使用していますが、一度考えなしに成人向けの作品を登録し、警告を受けたことがあります。
内容的にR15相当のセルフレイティングだとそぐわないと考え、R18のタグをつけて投稿しました。ベッドシーンに直接的な単語は使わなかったのですが、運営としてはポリシー(カクヨム小説投稿ガイドライン)に反するという判断だったようです。青少年が楽しむ場のため、あえてR18の区分けが必要な作品はエラーになる……ということかもしれません。
しかし裏を返せば、レイティングエラーのチェックを運営がしっかり行っているというのは、大手だからこそ信頼の置けることではないでしょうか。
カクヨムでの作品閲覧には、会員登録が不要です。それだけに、人目に触れやすく、検索でも見つけやすい状態になっています。文章表現だけの小説なら激しいシーンもレイティングなしで大丈夫、と考えがちですが、思わぬところで炎上する恐れもあり、慎重にいきたいところです。
その点、誰でも安心して読めるよう運営が配慮してくれているのは、投稿側にとってもいざというときのブレーキのようでホッとできると感じました。
このようにカクヨムは、ひとくちに投稿サイトと言ってもできることがとても多いです。
楽しむための第一歩は、誰もが等しく一文字から書いていくことだったりします。書き出したのに止まってしまったり、なかなか進まなかったりしたとしても、物語を紡ぐ楽しさは病みつきになるものです。
スタートは最初の一歩こと、あなたの一文字から。
物語を読者に届け、楽しんでもらえたかな?というその期待と不安が、また次の物語に取りかかる原動力のひとつになるのでしょう。カクヨムは、そのサイクルを回していくのに最適な場所のひとつです。
創作に打ち込むみなさんが、自分に合ったスタイルで楽しい時間を過ごせますように!