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ご当地小説とは?おすすめ小説6選|ご当地小説を書いてみたい方に

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世の中にはさまざま小説のジャンルがありますが、その中のひとつが「ご当地小説」。言葉からなんとなく分かるような分からないような……今回は、ご当地小説がどういったものなのか、そしてどのような作品がオススメなのかみていきましょう。

もくじ

ご当地小説とは?

ご当地小説とは、特定の地域や舞台にした小説のことを言います。

例えば、金沢のカフェが舞台だったり、佐賀のある町が舞台だったり、と地域を深く掘り下げているのが特徴と言えるでしょう。その地域を知っている人が読めば「ああ、あそこね!」と思わず言ってしまいたくなるような作品です。

舞台が特定の地域であれば、ミステリーもありますし、SF、恋愛ものもあるので、どのようなお話がその地域で展開していくのかワクワクしながら読むのも楽しいかもしれません。

ここからはおすすめのご当地小説を紹介していきます。

ご当地小説おすすめ6選

湊かなえ「望郷」

2017年に貫地谷しほりさんと大東俊介さん主演で実写化もされた作品です。

舞台となっているのは広島県尾道市の因島、向島、生口島など。ロケも実際に瀬戸内海の島々で行われたようです。

湊かなえさん自身も島育ちということで、よりリアリティのある作品となっているのかもしれません。ほっこりというよりは、ほろ苦さも感じられる作品です。

「望郷」は6つの短編から構成されており、そのうちの「海の星」は推協賞短編部門を受賞しました。

有川ひろ「県庁おもてなし課」

2013年に錦戸亮さん主演で映画化された作品です。

舞台は高知県。観光促進のために「おもてなし課」を設立した高知県庁でしたが、実際は何をしていいか分からず空回りばかり。そんな中、地元出身の人気作家・吉門からダメ出しされ、一念発起。おもてなし課をサポートする清遠家を中心に、高知県の特色を描いています。

有川ひろさん自身が高知県出身で、観光特使を依頼された体験から書き起こされたのだとか。

最初はちょっとしょっぱさも感じられる物語ですが、少しずつ意識が変化していく主人公・掛水と共に高知の良さを知ることができます。

このように実写化された作品だと、より聖地巡りなども捗りそうですね。

村上春樹「海辺のカフカ」

主人公となるのは15歳の少年。誕生日に東京の実家を飛び出し、四国・高松で不思議な出来事を経験し、成長していくストーリーです。

少年が高松駅で食べたうどん店や訪れた神社など、作中に登場している施設、店舗はモデルになったスポットはない、ということですが、なんとなく「ここがモデルかな?」と感じるような場所があるのだそう。

少年が一体どのような場所を巡ったのかを推理しつつ、読んでみるのもおもしろそうですね。実際にモデルではないかと想定されるスポットには多くのファンが訪れているのだとか。

蜂須賀敬明「横浜大戦争」

タイトルにある通り、舞台となったのは神奈川県横浜市。「横浜」と聞いて多くの人がパッと思い浮かべるのはみなとみらい地区の光景か、もしくは横浜駅周辺ではないでしょうか。

実は横浜はとても広く、18区もあります。中には想像している横浜とは全く違うような「横浜」も。

そんな横浜市・全18区を司る土地神たちが横浜ナンバーワンを決めるために知力を尽くして戦う物語となっています。横浜市民ならきっと手に汗握る戦いになること間違いなし?

横浜市民でなくても「こんな場所があるのか」と新たな発見ができるはずです。

望月麻衣「京都寺町三条のホームズ」

舞台は京都寺町三条商店街に佇む骨董品店「蔵」。そこで鑑定士の家頭清貴と出会った女子高生の真城葵。葵はやがて清貴と共に骨董品と京都にまつわるさまざまな出来事に遭遇していくことになる……というストーリーです。

もともとは投稿コミュニティサイト「エブリスタ」で掲載されており、その後、双葉文庫から刊行されました。骨董品鑑定と京都探訪、それにまつわる日常の謎解きが描かれます。2016年には「京都本大賞」を受賞し、コミカライズ化、アニメ化もされている作品です。

宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」

2024年本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」。ご当地小説ブームに火をつけた作品のひとつと言っても過言ではないかもしれません。

滋賀県大津市を舞台とした、個性的な主人公の成瀬あかりの青春群像劇です。大津市のローカルネタにこだわり、地元民からすると「あるある!」なネタが満載です。著者の宮島さんは滋賀県在住だからこそ書ける小説かもしれません。

そして、登場人物たちによるテンポの良い会話劇も注目ポイントのひとつ。成瀬の瑞々しい青春のさまは自然と心を揺り動かされます。

ご当地小説を書いてみたい!

ご当地小説を読んでいれば、書いてみたい!という気持ちにもきっとなるはず。実際にチャレンジしてみる場合は、まずは自分が住んでいる町か、故郷を舞台にしてみるのが良いかもしれません。

もともと知っている場所だからこそ、情景を描きやすいということもありますし、取材も行きやすいはず。

実在する場所を使わないにしても、街などをしっかりと描きたい場合は取材を念入りにしたほうが良いでしょう。その分、作品にもリアリティが増します。

ただ、ひとつ気をつけていただきたいのが方言。雰囲気で書くとおかしな表現になってしまう場合も。何より、実際にその地域で生まれ育った人や、暮らしている人からすると違和感に。そこで引っ掛かってしまって、なかなか読め進めない……という場合もあるので、その点はしっかりと確認するようにしましょう。

読んでも書いても楽しいご当地小説
ご当地小説の良いところは、よりリアルに「違う場所」に行った経験ができるところ。書く場合は実際に取材に行くことで愛着も湧きますし、読めば「行ってみたい!」という気持ちが掻き立てられるはず。まずは気になる地域の「ご当地小説」を手にとってみてくださいね。

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