【記号解説】“引用符”使い分けてる?クォーテーション、ミニュートの使い方

本シリーズでは知っているようで知らない、ベーシックな記号の選び方について解説します。今回は「“”」(ダブルクォーテーションマーク)の仲間たち!

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「“”」と「"」

「これが“真実”ってヤツなんだけど」と、文章中で強調したり含みを持たせたり、なにかと便利な「“”」(ダブルクォーテーションマーク・二重引用符)

しかし、実は結構な確率で“マヌケ”引用符が用いられていることがあります。

マヌケ引用符とは通称で、「"」(ストレート引用符)のことです。英語では「dumb quotes」と呼ばれ、印刷物には絶対使わないのが欧米でのルールなのだそう。

というのもこのマヌケ引用符は、もともとタイプライターの時代に起こしの「“」と受けの「”」の使い分けをなくすことで、キー数の削減を行うために生まれました。つまり、正式な記号とはいえないのです。

見比べると、いかにも“マヌケ”な雰囲気に見えてきますね。

プログラミングでは頻用しますし、webサイトに限っては文字化け防止に用いられることもありますが、最近の表示環境ではまず気にする必要がないことがほとんど。和文でも欧文でも、文章中なら必ず「“”」や「‘’」を使っておけばOKです!

「“”」と「〝〟」

さらに気をつけたいのは、縦書きのとき。縦書きの場合は、「〝〟」(ダブルミニュート)を使うのがマストです!

横書きでも和文の場合には「〝〟」を使う出版社も多いですが、これは運用次第なのでお好みでマイルールを決めてくださいね。

変換で簡単に出せるよう、「〝〟」を辞書登録するのも◎

ちなみに「〝〟」は、「ダブルミニュート」の呼び方以外にも、「猫の爪」というかわいらしいい名前もあるんです! 縦書きのときや和文のときは、ぜひネコちゃんを思い出してみて。

こちらの記事では、かぎ括弧とミニュートの使い分けを紹介しているので、ぜひあわせてご参照を!

「“”」と「‘’」

では、「‘’」(シングルクォーテーション)はどのようなときに使ったらいいのでしょうか。

和文では、引用符としては用いないことがほとんど。一方欧文では、引用符として使うなら「“”」と「‘’」はどちらも同じ扱いをして大丈夫です。

日本語の「」や『』のように、明確な優先順位はありません。ただ、イギリスでは「‘’」が、アメリカでは「“”」が一般的なので、その文脈を意識して使い分けるとさらにクオリティはアップするはずですよ。

サンセリフ系のフォントだと見分けづらいですが、かなり重要なポイント!
※英文は自動翻訳によるもの。

しかし、日本語のように強調表現ではあまり用いません。かわりにイタリックで表すのがベターです。

省略におけるアポストロフィ

「’68年」など、省略表記に使うアポストロフィも「'」(ストレート引用符)ではなく「’」(シングルクォーテーション)を使用することになっていますが、向きに要注意!

和文・欧文ともに同じルール。
NG例の方が一瞬正しそうに見えるので注意です。

正しい向きのものを入力しても、テキストエディタがお節介で勝手に引用符として処理することで、反対に修正されてしまう場合もあります。校正時にはよく確認してくださいね。

今回のポイント

  1. 「"」(ストレート引用符)はマヌケ引用符。印刷物では厳禁!
  2. 縦書き、また和文では「〝〟」(ダブルミニュート)を使う
  3. 省略時に使うアポストロフィは、向きに注意

マヌケ引用符を印刷物に使っていると、笑い種にされてしまいがち。けれど、変換ひとつで今日からすぐに適切な引用符で表記できます。作品の完成度をさらに向上させてくださいね!

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