コミケや赤ブー、コミティアなどの創作・同人イベントに参加したときに、「ペーパーラリー」という企画を見かけたことはありませんか?
この記事では、ペーパーラリーについてご紹介します。
- ペーパーラリーについて(企画概要や参加の仕方など)… ①②③
- ペーパーラリーを主催するときのおおよその流れ … ④
- ワンランク上のペーパーを作れちゃうアイデア&印刷所をご紹介! … ⑤
ペーパーラリーについて詳しく知りたい方は①~③から、ペーパーラリー経験者で企画主催やペーパー作成について知りたい方は④・⑤からご覧ください。
当ページのリンクには広告が含まれています(①ペーパーラリーってなに?
サークル参加者が自主的に行う企画
ペーパーラリーは、創作・同人イベントで主にサークル参加者が自主企画して行うイベントです。
基本的にやることは、企画に参加しているサークルを回ってペーパーをもらうだけ。
集めるペーパーが無料配布なのか、頒布物の購入条件があるかは、ペーパーラリーによって異なるので、初めにルールをチェックしておくと安心です。
ペーパーラリーの多くでは、集めたペーパーの数に応じて景品をプレゼントされます。最後に主催サークルに立ち寄るのを忘れないようにしましょう。
シンプルな企画ですが、参加サークルも一般参加者も気軽に楽しめるのがペーパーラリーのいいところ。中には、せっかくだからとラリー記念ペーパーを作る人もいます。
見かけたらぜひ参加してみてください。ペーパーはもちろん、楽しい思いでもきっとGETできますよ。
ペーパーと創作・同人活動は、切っても切れない
創作・同人活動を知って間もない方の中には、「そもそもペーパーって何?」と思う方もいるかもしれません。
ペーパーは、サークルがイベント参加の感想や近況報告、ちょっとした作品など、書きたいことを自由に掲載している配布物です。多くは無料配布で、A4~A5サイズがよく見られます。詳しくは、過去の記事もぜひご覧ください。
サークル参加者の中には、新刊を出すのはムリでも、せめてペーパーくらいは出したい!と、コンビニに走ったことのある方も多いのではないでしょうか。
イベント当日の朝、手書きでガッと書いてコンビニで刷れば最悪なんとかなるのがペーパーのいいところですよね。
②創作・同人イベント一般参加者が参加するには
SNSなどで企画がないかチェックしよう
ペーパーラリーはサークル参加者の自主企画が大半なので、開催されていないことも多いです。
サークルチェックのついでに、SNSなどで「【イベント名】」「ペーパーラリー」と検索して事前に調べておくことをおすすめします。
参加してみたいペーパーラリーを見つけたら、主催しているサークルのスペース番号を控えておきましょう。
他にも、企画ルールがあるかないか、ラリー参加サークルを見てどこのペーパーをゲットしておきたいかなども、メモしておくと役に立ちますよ。
イベント当日はまず主催サークルに行ってみよう
事前チェック済みなら、まずは主催サークルに行ってペーパーラリーが開催されているかチェックし、早速回ってみましょう!
余裕があれば、チェック外の参加サークルも回ってみると一層楽しめるでしょう。思わぬ新規開拓に繋がって、創作・同人ライフがより豊かになります。
一通り参加サークルを回り終えたら、景品がある場合は主催サークルのスペースに戻って報告します。このラリーだけのプレゼント、というのも結構あるので、お見逃しなく!
もしペーパーラリーが楽しかったら、その気持ちを主催さんに一言でもいいのでぜひ伝えてみてください。企画の運営には、目に見えない不安や緊張がつきもの。あなたの「楽しかったです!」が最強のエリクサーになります。
帰ったら、ラリーで集めたペーパーを心行くまで楽しんでくださいね。
③創作・同人イベントサークル参加者が参加するには
参加企画のルールを確認し、ペーパーを作る
同人イベントに出るとき、気になるペーパーラリーを見つけたらぜひ参加してみましょう。
ペーパーラリーごとにルールは異なります。参加者リストを作るなどの都合で、事前の申し込みが必要な場合も。主催からのアナウンスをしっかり確認することをおすすめします。
ルールが確認できたら、いよいよ参加用のペーパー作りです。ペーパー作成に役立つアイデア&印刷所は、「⑤ペーパー作成に役立つアイデア&印刷所」でもご紹介していますので、ご参考ください。
SNSなどで参加を告知する
ペーパーラリーの参加が決まったら、積極的にSNSなどで告知していきましょう。
自サークルの情報 | サークル名・スペース番号など |
---|---|
創作・同人イベントの情報 | イベント名・開催日時・ハッシュタグなど |
ペーパーラリーの情報 | 主催サークル名・ペーパーラリー名・ハッシュタグ(あれば)など |
配布するペーパーについて | どんな内容か・無料配布もしくは条件付き配布かなど |
参加するにあたって一言 | あれば |
このあたりの情報がまとまっていると、一般参加者にもわかりやすくなります。
用意したペーパーを忘れず持って、イベントと企画を楽しむ
イベント当日、早速会場へ出かける前に……準備したペーパーをきちんと持っているか、もう一度だけチェックしてみてください。うっかり机の上に置き忘れていた、という惨劇が意外と多かったりするからです。
せっかく準備したペーパーだからこそ、ラリーでたくさん持って行ってもらいましょう!
当日は、主催サークルの案内に従いつつ、ペーパーラリーを思い切り楽しんでください。こうした企画に参加すると、普段足を運んでくれる人以外にもお客さんがやってきてくれることがあります。いつもとちょっと違うワクワクが味わえますよ。
④ペーパーラリーを自分でもやってみたい人へ
自分もペーパーラリーをやってみたい!
でも、どうやって始めたらいいんだろう?
特に、企画の主催に不慣れな方は、不安も大きいですよね。私も何度か主催をしましたが、そのときそのときでやっぱり不安はありました。
でも、やりたいと思った気持ちがあれば必ず成功できますし、得られる喜びは不安なんて吹っ飛ぶくらいかけがえのないものです。思い立ったら吉日、ぜひチャレンジしてみてください!
どんな企画にしたいか書き出してみる
最初におすすめしたいのは、何でも紙に書き出してみることです。やりたいこと・できること・できないことがハッキリわかります。
整理は後ですればOKなので、まずは思いつくままに書いてみてください。一例を、以下に挙げておきます。
これはぜんぶに答えがないとペーパーラリーを開催できない、というものではなく、あくまでも考えるときの参考項目です。リラックスして試してみてくださいね。
- どうしてやりたいと思ったのか
- どんなペーパーラリーにしたいか
- どんなサークルに参加してほしいか
- どんなお客さんにきてほしいか
- イベントが終わった後どんな状態だったら成功か
- サークル参加者は自由に参加できるか、それとも事前届け出が必要か
- 事前の届け出をしてもらうなら、参加者リストやMAPを作るかどうか
- ペーパーを集めたら景品をプレゼントするか
- 景品ありの場合、何枚で何をプレゼントするか
- 景品はどのくらいの量を用意するか
- 専用サイトや告知画像を作るかどうか
- 参考にできそうなペーパーラリーはあるか、SNS・ブログにレポートがないか
- ペーパーラリー開催中だと周知するPOPの準備をどうするか
- 自分一人でやりとりできそうか、できなければ友達にヘルプを頼めないか
- 参加サークルにはどう対応するか
- 一般参加者にはどう対応するか
- 同人イベント中の進行状況をSNSでアナウンスするかどうか
- 終わった後はどうするか
- どの程度のコスト(時間・労力・金銭)なら負担なく対応できるか
- どの程度の参加人数(サークル・一般参加)なら無理なく対応できるか
創作・同人活動全般に言えることですが、豪華で派手な内容にすると、それだけ主催者のコスト・リスクは大きくなります。
一旦思い切りやりたいことを膨らませたあとに、自分が対応できる限界を設定する。すると現実的に対処できる範囲へ企画がまとまっていき、無理のない運営ができます。
しかし、企画主催自体が初めてだと、右も左もわからなくて、まとめられなかったりもしますよね。そんなときは、まずできるだけ小さくやってみることをおすすめします。
- 友達や知り合いの数名だけでやってみる
- 景品なし&フリー参加制(テーマだけ発表し、SNSのハッシュタグで参加表明など)
一度主催してみれば、「なるほど、これはこうするのか」「もう少し負荷かかっても大丈夫だな」「あれはもうコリたからやめておこう」など、自分なりの感覚が掴めてくるものです。その経験を踏まえれば、次回開催では安心してクオリティを上げることができます。
SNSなどで告知する
企画が固まったら、SNSなどで告知していきます。
ペーパーラリーの概要がわかる告知画像か、noteなど長文を掲載できるサイト・ブログに案内を掲載してきましょう。参加希望の人がどこを見ればいいかわかりやすくなります。
SNSでの告知は、適度に時間を置きつつ継続していくのがベターです。一度の告知だけだと、思った以上にすぐ流れて人に気づいてもらえないもの。必要な人に情報を届ける、くらいの気軽な気持ちで、どんどん発信して大丈夫ですよ。
当日のための準備をする
参加募集と並行して、イベント当日のための準備を進めていきます。
ポスターやPOPなど、ペーパーラリーを開催しているとわかる展示物や、あるなら参加者リスト・MAPの制作、また景品の用意も必要です。
もし当日の対応にどうしても不安が残る場合は、フローチャートを作っておくといいかもしれません。
参加サークルへの対応はこう、ラリーをスタートする一般参加者へはこう、ラリーを終えた人にはこう、と手順を見える形にしておけば、頭も気持ちも整理できて落ち着きます。
企画主催の本番は、なにかと想定外も起こりがち。バックアップしてくれる助っ人がいると安心できるでしょう。もし頼めそうな友人がいたら、ぜひ声をかけてみてください。
イベント当日は状況に注意しつつ、楽しむ
前日までにバッチリ準備できたなら、あとは当日思い切って楽しみましょう。
どれだけ準備万端でも、見落としや想定外はつきものです。でも、「上手くいかないかも!」と思っていると不安が増大し、本当にそんな事態を招いてしまうこともあります。
やれることをぜんぶやったら、あとは開き直って楽しむのが一番。そのほうが、参加のみなさんにも気兼ねなく楽しんでもらえるでしょう。
企画主催は対応も慌ただしくなりがちですが、ラリー参加のペーパーも忘れず集めてくださいね。そのペーパーは、企画を開催したからこそ出逢えた宝物です。ぜひじっくり噛みしめてください!
⑤ペーパー作成に役立つアイデア&印刷所
気軽に作れるのがペーパーのいいところ。でも、どうせペーパーラリーに参加するならちょっと特別仕様に挑戦したいですよね。
そこで、気軽に試せるアイデアと、ペーパー印刷にオススメの印刷所をご紹介します!
自宅のプリンターでも工夫次第で素敵なペーパーに
自宅のインクジェット用プリンターでも、できる工夫は様々。むしろ家でやるからこそ手作りのよさが出て、味わい深いペーパーになるでしょう。
家でできるひと工夫で、クオリティアップできるアイデアを3つご紹介します。
印刷用紙にこだわってみる
印刷用紙を変えると、趣きがガラッと変わります。カラーペーパーにするだけでも雰囲気が違うので、いつもと違うことを手軽に試してみたい方にピッタリです。
また、印刷所で頼むと高い特殊紙も、意外と通販で手に入ったりします。紙好きの方はぜひお気に入りを探してみてください!
パンチクラフトで物語性を演出
自サークル・作品やペーパーラリーのテーマにマークのモチーフがある場合は、パンチで穴あけしてみるとグッと印象的になります(例えば、猫好きサークルさんなら猫や肉球のパンチを片隅に使うなど)。別のマークと組み合わせて、ストーリーを演出するのもいいですね。
必要なマークのパンチが見つかるかは少々ネックなところ。しかし、今は幅広い柄・大きさのパンチが発売しています。気になった方はぜひ覗いてみてください。
あまっているマスキングテープを活用してみる
かわいくてつい買ってしまったけれど、持て余しているマスキングテープってありませんか? 試しにペーパーの罫線や囲み、アクセントに使ってみると、画面が一気に華やかになりますよ。
手間がかかるので、ごく少部数の特別なペーパーを作りたい時などにおすすめです。マスキングテープの使い方例については大手ブランド「Mt masking tape」が紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
折ってみると存在感もUP
折本メーカーで簡単に作れます
一枚の紙に切り込みを入れて折り、まるで本のようにする「折本」。
A3サイズの紙を使えば出来上がりがA6(文庫)サイズになるので、特別感を出したいときにうってつけです。A4サイズで作る仕上がりA7の折本も、手のひらサイズでかわいいですよ。
折本を作るには、印刷するときの面付け(どのページを、どの順番・向きで印刷するか)が重要になります。
今はネットのアプリで簡単にできます。以下の折本用アプリを使ってみてください。
ペーパーを半分に折るだけでもいい感じに
昔、Twitter(現X)でこんな言葉が話題になりました。
「2つ折りになっていれば、それは本」
ペラ1枚のペーパーといっても侮ることなかれ。折ってひと手間加わっていれば立派な頒布物になりうるのです。
正直、創作・同人活動しているとしょっちゅう時間が足りなくなりますよね。折本を試してみたいけど、そんな暇ない! という方も多いのではないでしょうか。
そんなときこそ試してもらいたいのが、2つ折りペーパーです。
印刷したのをイベント当日の朝半分に折りさえすれば、十分それらしくなります。印刷所によっては、半分折り加工をオプションで付けられるところも(後述のグラフィックなど)。
ペーパーラリーに参加するからには、ちょっとこだわりたい! でもそこまで割ける時間がない……。そんな場合には「2つ折りになっていれば、それは本」、この金言をぜひ思い出してみてくださいね。
ペーパー印刷にオススメの印刷所3選
たくさん配る場合は、やはり印刷所に頼むのが一番です。今回は、コスパと加工面から3つの特にオススメな印刷所をご紹介します。
グラフィック:コスパ&品質重視ならまずココ!
安く・早く・綺麗に刷りたいときに何よりおすすめなのが「グラフィック」です。
「A5/オフセット印刷/100枚/両面カラー/マットコート紙70g/7日納期」で送料込み2,270円(一枚当たり約22円/2024年3月現在)で刷り上がりもバッチリなのはありがたい限り。
2つ折り加工もオプションで選べます。名刺・フライヤーはセールをしていることも多いので、タイミングがよければもっとオトクに注文できることも。
1点注意したいのが、最近たびたび受注制限が見受けられること。注文が集中しているようです。このため、「多少高くなってもいいから直前納期で!」と思っても、受け付けてもらえない場合があります。イベント一か月前にはサイトを覗いて様子を確認しておくと安心です。
オレンジ工房:いにしえのグラデ便箋仕様が可能
最近X(旧Twitter)でもちょくちょくトレンドに上がる、「グラデ便箋」。30代以上の方なら「ああ~……」と懐かしさが混み上げてくるのではないでしょうか。
昔は発注できる創作・同人グッズの幅が少なく、その中でも人気だったのがグラデ便箋でした。便箋、と銘打たれているものの、メインはイラストで、実用性はさほどありません。
しかしその独特の文化を愛する人は今でも多く、グラデ便箋関係の企画もたびたび催されているようです。
グラデ便箋を刷ってくれる印刷所として、過去記事では「金沢印刷」「のりまつ印刷」を取り上げました。今回は新たに「オレンジ工房」をご紹介します。サイズ・色の種類も豊富で、どれにするか選ぶのも楽しいですね。
レトロ印刷:リソグラフ印刷のエモいズレ&かすれ
一味違う印刷を楽しみたい方には、「レトロ印刷」がオススメです。
レトロ印刷では「ズレる」・「かすれる」・「混色する」といった特徴を持つ「リソグラフ」印刷が採用されており、1枚1枚の仕上がりにほんの少しの違いがあります。
ムラがあったり、インクが手についたり、という点もありますが、そこにかえってレトロな風合いを感じます。紙好き・印刷好きには堪らないペーパーが作れますよ。
使用できる紙も、他所の印刷所ではなかなか見かけないラインナップ。リソグラフとクセのある紙でどんなペーパーを作るか、遊び心をくすぐられる印刷所です。
創作・同人活動とは切っても切れないペーパーと、それをもっと楽しめるペーパーラリー。見かけたらぜひ、気軽に参加してみてくださいね。