自分が書いた小説の子たちに声をつけたら楽しくて|音葉ネリさんインタビュー

創作活動をされている方のリアルを聞く。今回は音葉ネリ(おとはねり)さんにお話しを聞きました!

――まずは自己紹介をお願いします。

「スピリッツ」の音葉ネリと申します。私は物書きなんですけども小説やエッセイ、一次創作も二次創作もどちらもやっています。あとはボイスドラマの脚本を書いていて、声優の方にお願いをして編集するという活動もしてます。

――ボイスドラマは文字を書く延長線でやろうと思われたのですか?

いえ、そうではないですね。私の創作者の仲間でボイスドラムをやっている方がいまして、その方にポロッと「うちの(作品の中の)子に声がついたらいいな」という話をしたら「やってみたらどうですか?」って唆されて。じゃあやってみようかなと思ってやってみたら楽しくて。(普段は)文字を書いてるので脚本も自分で書いて、やり始めたのがきっかけですね。脚本の書き方はそのお仲間に(実際に書かれた脚本を)見せていただいて、それを元に真似しました。

――もともと活動されていたのは文字なんですね。

文字だけですね。イラストとか漫画とかを一切描けないので(別の方に)依頼したりしてつくっています。

――文字を書こうとしたきっかけは何だったんですか?

どこから遡ればいいのか分からないんですけど、一番最初はイラストと漫画が描けなかったので文字なら書けるだろうっていうところからのスタートでしたね。

最初が二次創作で作品の頒布が2010年でした。その頃すごく良い作品と出会ったのと、すごく良い二次創作の小説を書かれる方がいらっしゃったので、その方にものすごく憧れました。私もこんな小説を書いてみたいと思って真似して書き始めたのがきっかけです。

その後、学業の方が忙しくなって少しフェードアウトして、その時は小説をリアルな友達と共有するだけでした。(表立って)発表するといったこともしていなくて、創作活動かと言ったらよくわからない感じだったんですけど、ちゃんとやり始めたのが4年前くらいでしたね。

そこから通販はしていましたが、イベントに参加したのもずいぶん最近で1年前ぐらいからです。

――どのくらいのペースで作品は出されていましたか?

(本を印刷し始めたころ私が)持病の関係で少し休職していたので、2か月に1冊ぐらい書いてました。その時は創作活動を始めてハイテンションだったこともあって、ハイペースで書いてましたね(笑)。今はだいぶペースを落としてるんですけども。

――今は年に1冊とか2冊ぐらいでしょうか?

ちょっと数えたことはないですけど、もうちょっと出してますかね。

――一番最初に本を作ったときの思い出は何かありますか?

一次創作で温めてたものがありまして、それを最初から小説が書けないというか書いたことがなかったので、設定集から始めようと思いました。設定をいろいろ書いて、それを本にして出したんです。そこからだんだんステップアップする形で短編を書いてみたり、手記形式のものを書いてみたり。そして小説を書き始めた感じです。どうしても本を作りたかったので。

1作目はコピー本でしたが、再販するときに表紙だけ印刷してくっつけていました。2作目が印刷所で、ちゃんとした本を作りました。ただ、本のことをわかってなかったので、滅茶苦茶な感じになってしまったんです。絵も漫画も描けないのでソフトも使い方が分からず、表紙で苦労しました。まず「レイヤー」というものがわからなくて、「CMYK」って何って感じでしたね。

――印刷所はどちらを利用されましたか?

ポプルスさんです。検索していて安くていいよというのを見て、何もわからなかったのでとりあえず検索に引っかかった印刷所を利用しました。

――基本は紙の本とのことですが、電子書籍にされるご予定は?

とりあえずは予定ないです。紙の本が好きなので、やっぱりめくる感じとか紙の感触とか、そういうところが好きですね。

――なるほど。出されている本の装丁について教えてください。

どっちかというとシンプルですね。最初はよくわからなくて装丁モリモリもいいなと思ってやったんですが、小説なのでやっぱり中身の勝負になってくるかと。こんなに盛らなくてよかったなっていうのをだいぶ後悔しています(笑)。穴あけたりとかしなくてよかったなと思ったり(笑)。

――自分でやってみて気づくこともありますよね(笑)。その本はまだ持っていますか?

読み返したりもするので、(その本を含めて)全部持っています。

――話が戻ってしまいますが、本とボイスドラマの比重はどうでしょうか?

時期によりますが「M3」という音声系のイベントが春と秋にあるので、それを目指すときは比重が大きくなりますね、ただ時期に合わせてなので、今は本をずっと書いているとき、今はボイスドラマの脚本書いて編集をしているときと、比重が傾くときとかもあります。(音系のイベントに参加した時は)私が書いた小説を元にしたボイスドラマなので、CDと一緒に本も出せるので一緒に出してます。

――イベントはオンラインも参加されていますか?

オンラインはすごく出ますね。片っ端からぐらい。リアルのイベントにも参加したいんですが地方住みなので、あんまり遠征ができない分、たくさん出てます。

――ここにきて突然ですが、作品について教えてください。

代表作は森に住んでる女の子と普通の天真爛漫の女の子が出会って交流を深めていくというお話で、一次創作の小説とボイスドラマも出ている作品です。(時代設定は)私たちの生活と変わらない感じになっていて、私がファンタジーが書けないのでどうしても現代物になってしまうんですが、少し非日常も入ってたりもします。

過去に特殊能力を持った子たちの事件があって、少々超能力の話とかも出てきたりとかします(笑)。SFではないですけど現代の脳科学とかでできる範囲までには抑えていますが。

――細かく調べられているんですね。

だいぶ調べましたね。脳科学の本とか、女の子が森に住んでいるのでサバイバルの本なんかも。(サバイバルで言うと)子供向けの縄文人の暮らしの本とかを図書館で借りて読んだりしましたね。あとは食べ物のお話とか栄養素とか、片っ端からいろんな本を読みましたね。

――縄文人の本は意外でしたね!設定を考えるのと本を書く時間は別ですか?

私は分かったら即書くので、一番最初から物語を書かないですね。真ん中辺から書いたり後ろから書いたり、もうできたところからですね。「よくそれで物語になるね」って言われることもあります。最初から順々に書いていくっていうことが私はできないんですが、いちおう私の頭の中ではつながっているっぽいんです。

――組み立て方は他の方にとっても参考になるかもしれませんね。さいごに、もし伝えたいことがあればお願いします!

秋に小説を元にした新作のボイスドラマを出します。脚本がまだ完成していないので、頑張って脚本を書き上げて良いものを作っていこうかなと思っています。よろしくお願いします!

――お話いただきありがとうございました!

最初は本を作りたくてとりあえず文字を書いてみたという音葉ネリさん。小説以外にボイスドラマの脚本編集まで活動が広げられていますが、本当に楽しそうに語られていたのが印象的でした。新作も楽しみです。(Dounats編集チーム)

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