「こどく」をテーマにした作品づくり【ショートコラム】

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今村翔吾氏による小説「イクサガミ 地」を買った。シリーズものということで、前作の「」を読み返していた。

舞台は明治時代。深夜の京都・天龍寺に集められたのは腕に覚えがある292人。互いに配られた木札を奪い合いながら、東海道を辿り東京を目指す……というもの。

腕に覚えがある者たちが何かを奪い合うと言えば、もはやそれは間違いなくデスゲーム。そしてその「遊び」の名は「こどく」。

「こどく」=「蠱毒(こどく)」。壺の中に毒虫を入れて共食いをさせ、最後に生き残った一匹を使う呪いのことだ。壺に毒虫たちを入れている図なんかは、虫嫌いなもので文字でも「うへぇ……」となる。が、ボーッとしていても、「蠱毒」が登場する作品にはわりと遭遇してしまう。デスゲームって言ってみれば「蠱毒」だし、そうなってくると世の中、だいたい「蠱毒」だし。

「蠱毒」を題材に作品を作ることになったら、いろんなタイプの作品が登場しそうだとは思うのだけれど、結局、ひとりしか生き残らないのだとしたら、それは寂しい話で。

ひとりでも辛くない、大丈夫。そう言える人が結局は一番の強者だったりするのかな、と思ったりする。

ただ万が一、デスゲームに巻き込まれたとき、「私って最初に死にそうなタイプだと思う」って自分で言う人のことは信用しないのがまずは生き残る道なのかな、とも思ったりする。

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Text/ふくだりょうこ

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