長きに渡る同人誌の歴史ですが、読み手としても書き手としても「あとがき」って気になるポイントですよね。もちろん同人誌ではなく商業誌でもあとがきがある作品と、無い作品がありますし、内容もさまざまです。
「書籍には物語だけを載せたい」と、あとがきを書かない主義の作家さんもいますし、出版社やレーベルによってはほぼ必須のような場合もあります。商業誌でもとくにルールはないので、同人誌となるとさらに自由。
ずばり皆さん、あとがきは好きですか?読むのも書くのも楽しい!という方も多いのではないでしょうか。
昔々……あとがきはボリュームたっぷりでした!
「初めましての人は初めまして!そうでない人はこんにちは!」というフレーズを知っているか知らないかで年代がわかってしまうほど……(爆)かつての同人誌で多様されていたのがこちらの挨拶。同人誌のあとがきといえばこれ!というほど定番のフレーズでした。
この時代の同人誌は、あとがきの域を超えフリースペースと言えるほど、ボリューム感のある巻末コーナーでした。制作秘話はもちろん、本編の延長かのようにキャラが語り出したり、落書きイラストがあったり、「創作中に聞いていた音楽」なども紹介。
「これを書いている今、入稿◯◯分前です。あ、あと1分です。さようなら」のような〆の台詞も一種の流行でした。完全なフリートークスペースではありましたが、実は読者からも基本的には大人気のコーナーで、あとがきと本編はセットとも考えられていたほど。
書き手さんの人となりがわかり、作品への愛がたっぷりの古(いにしえ)のあとがきを「懐かしい」「復活してほしい」という声も多いんですよ。
現在、あとがき文化はどうなった?
同人誌のあとがきはかなりあっさりとしたものになりました。内容もいわゆる、手に取ってくれた人への感謝や、本編のちょっとした解説などが中心です。いわゆる、あとがきらしい、あとがきです。
最近は、あとがきが無い同人誌もとても増えていて、ジャンルによっては、ほとんどないのでは……という状況もあります。
どうしてあとがきが減ってしまったの?
理由はいくつか考えられます。
コスト削減!
ページ数を減らせば印刷代が当然安くなります。少しでも手軽に手に取ってもらいたい。読み手さんに負担をかけたくないという思い。
私の個人的な思いっている?
書きたいことはすべて本編に書き込んでいるので、解説するなんて野暮! そもそも、興味ないよね……??
時間とページを本編に使いたい!
少しでも多くの文章やイラストを掲載したいので、あとがきを書くスペースがもったいない!
などなど……。
そもそもあとがきって何を書けば良いのかわからない!
これはずばり、本当になんでも良いんです。「こんな気持ちで作品を書いた」「制作中、こんなことに苦労した」などなど、いわゆる制作秘話や、読み手さんへのメッセージが一般的。
そのほか、次回作の宣伝や、参加予定のイベントについて告知すれば、喜んでくれる方も多いのではないでしょうか。
実はファンの多いあとがき文化です!
なんとなく恥ずかしさから「自分の言葉なんて……」と思ってしまうあとがきですが、読むのが好きな人も多いはず。
あとがきを通して、書き手さんと読み手さんがつながっていたのがかつての同人誌文化です。当時を懐かしむ人も多く、復活を望む声もたくさん聞かれます!
あとがきを書くのも書かないのも、もちろん書き手さんの自由ですが、「書いてみたいけど……」と思ってる方はぜひ一言ご挨拶だけでも書いてみるのはいかがでしょうか。SNSを通して、読み手さんと交流のきっかけになるかも!
ぜひ、トライしてみてくださいね!