同人誌を作る皆さんがハマりがちな沼……。それはフォント。フォント沼に足を取られたらさあ大変。あまりの深さにもう二度と出てこれないかも。それくらいフォント選びは奥が深く、何よりとっても楽しいんですよ。
そもそもフォントって??
簡単にいうと、文字のデザイン、書体のことを言います。日本語の場合「明朝体」「ゴシック体」が代表的なフォントですよね。
- 明朝体
ハネや、はらい、はねや払い、縦横の線に強弱があり、ゴシック体と比べると文字に動きがあるのが特徴です。
“文章を読む”ことに適しているため、小説、新聞、教科書など紙面で長文を読むときに多く用いられます。印象:「大人っぽい」「まじめ」「知的」「女性的」
- ゴシック体
線の太さが統一されていて、トメ、ハメ、はらいなどの書道のセオリーに基づきません。パッと見の印象が強いので、遠くからでも見やすく“文字を認識する”のに適したフォントです。パソコンやスマホなどのディスプレイ、看板、見出し、ポスターなどに適しています。
印象:「力強い」「目立つ」「ポップ」「幼い」
小説に適した書体は?
書籍(特に小説)に関しては、基本的に明朝体を使います。「縦書きで明朝体であること」が、本の読みやすさとしては圧倒的。
ただ一方で、今は小説もパソコンやスマホで読む時代。小説でも「横書きのゴシック体」の方が、なじみがあるという方も、増えつつあります。
また一般的な商業作品は、基本的にフォントやフォーマットは決まっていますが、同人誌はその型にははまりません。自由なフォーマットや遊び心のあるフォントを使う型も多いんですよ。
本文におすすめのフリーフォント
源暎こぶり明朝
「読書の邪魔をしない、空気のような、無味無臭なフォント」というコンセプトの大人気フォントです。すっきりしていて多少丸みもあり、柔らかさを感じるフォントです。濁点付きのひらがなが実装されているため、さまざまな表現(!?)に対応可能ですよ。
源暎ちくご明朝
いわゆるラノベフォントと呼ばれているのがこちら。大手出版社のラノベレーベルを彷彿させるので、テンションが上がること間違いありません!明朝体のかっちり感の中にもも、しっかりと“強さ”を感じさせるフォントです。
しっぽり明朝
とても読みやすく、まさにしっぽりとした落ち着きと上品さが漂うフォントがこちら。「見ているだけでうっとりするような明朝体」がコンセプトなので、甘い空気が流れるラブストーリーにぴったり
ZENオールド明朝
古き良き時代の文芸作品を思わせるフォントでありながら、読みやすさも抜群。レトロな題材を書く方にとくにおすすめです。とくにひらがなにすると毛筆のような滑らかさが際立ちますよ。
ひな明朝
こちらはかなり古風なフォントです。ひな人形を意識しているとだけあって、和風で古風、さらには女性的なかわいやしさ。優しさも兼ね揃えています。文字が交差している部分に墨溜まりがあり、毛筆の趣があります。明治〜大正ロマンを舞台にした作品にぴったり!
游明朝
元々のコンセプトは「時代小説が読めるようなフォント」でしたが、そのスタイリッシュさと読みやすさから、ジャンルを問わず使用頻度がとても高いフォントです。古風でありながらスタイリッシュなので古臭さもありません。万人受けすしますよ。
はんなり明朝
やわらかく優しく繊細な雰囲気のフォントはこちら。まさに京言葉のはんなりという言葉がぴったりです。
たとえば和紙風背景や、桜などの和柄などと相性抜群ですよ。
今回ご紹介したのは明朝体ですが、ゴシック体や手書き風など、フォントの世界は本当に果てしなくなく続いていきます♪ フォントを変えるだけで作品やお手紙のの雰囲気も変わるのでぜひいろいろためしてくださいね。