漫画を読むときはとくに気にしないけれど、書くときはめちゃくちゃ意識しなくてはいけないもの。……それは、ページ数。
今ではWebや投稿サイト、また同人誌から発生したヒット漫画もとても多いですが、創作界隈にいる方は、アナログ漫画雑誌の連載を追い、コミック化を待ち侘びコレクションし……という楽しみ方もおなじみですよね♪
圧倒的な人気を誇る名作漫画でも、雑誌に掲載されている限り「ページ数」というしばりがあります。どれだけ人気作品でも、どれだけ大御所作家でも「今週は4ページ。来週は120ページでよろしく」ということは断じてありません。※多少のズレはあります。
漫画連載というのは、テレビドラマの放送時間のようにきちんと毎週のページ数が決められています。
1つの漫画のページ数の決め方は?
商業作品では?
作品のテイストにもよりますが、一般的には16〜40ページ。ジャンプのような週刊少年漫画であれば30ページ前後。りぼんのような月間少女漫画ではれば40ページ前後が一般的な長さです。
また連載であれば「コミックスの次巻へのヒキ」をめちゃくちゃ意識しながら書くことになるので、ページ数に加えて話数も計算しながら物語を進めていくことになります。
漫画投稿サイトでは?
漫画投稿サイトに掲載していく自主制作の連載においては、商業誌の30ページは明らかに“長い”と言えます。半分の16ページくらいが妥当です。
というのも、Web漫画の場合、1話をじっくり読み込むというより、どんどん次の話数に進んでいく一種の焦燥感を煽ることが大切です。とはいえ、短いページ数で起承転結を無理やりつけようとすると肝心の内容が薄くなってしまうので、コツとしては30ページの漫画を二分割の前後編としてリリースしていくのがおすすめです。
更新頻度が高ければ高い方がヒットにつながるので、30ページを三分割でもOK!起承転結を意識しすぎないことが大事です。
同人誌のサイズで新人賞は狙える?
かつて同人誌は“薄い本”と呼ばれる時代がありました……。言葉として飛び交うことは随分減りましたが、厚い本も多いですよね!
1話読切の“薄い本”は、20〜40ページ程度でしょうか。実はそれは、もし商業誌やウェブ漫画の新人賞を狙うにも理想的なサイズです。
雑誌に掲載されているプロによる読切漫画は50ページを超えるものがありますし、新人賞の募集要項でもページ数は自由とされているものも多いですが、あまり長く書くと「構成力がない」と判断されてしまうことも。募集作品は規定がない限り35ページくらいに収められるのが理想です。
起承転結でざっくり区切ろう!
連載ではなく読切作品であれば起承転結は本当に大切です。新人賞を狙うのであれば、とくにしっかりと構成しましょう。
32ページの漫画を仕上げるために、それぞれの項目を8ページずつとしてしまうのが一番シンプルではありますが、実はそれだとアンバランスになってしまう場合もあります。
たとえばバトルものやスポーツものなら、冒頭の起は大きく減らして(4・12・10・6)で、アクション場面を多く見せるのが吉ですし、ミステリーなら後半に向けてどんどんボリュームを持たせていく(5・7・8・12)のもあり。
しっかりここで構成を決めてしまえばネーム作業も捗ります。
まずは短めサイズでスタート!
実はコンパクトに縮めるのってすごく大変です。描き進めるうちに絶対にどんどん長くなっていってしまうので、まずは目的のページ数の半分の量をめざしてみてください。
16ページの漫画を描こうとしたら24ページなっていたというのはザラ。もっと長くなってしまう確率のほうが高いんです。漫画の場合後から削る方が大変なので「筆が乗って長くなっちゃった」となることを前提に書き始めるのがおすすめですよ。