一言で「小説」と言ってもジャンルはさまざま。どのジャンルの小説が好きか問われても、困る場合もあるのでは?
恋愛とかミステリーだとか、メジャーなジャンルなら問題ありませんが、それ以外にもたくさんあります。今回は、小説のジャンルについて見ていきましょう。
SF小説
「SF」とはサイエンスフィクションの略です。
SF小説とは科学的な知識をベースとした小説のことを指します。
SFと聞くと、わりと幅が広く感じられますが、科学的な理屈や裏付けが必要になると覚えておくといいかも。未来の地球や宇宙が舞台になっている作品は、SFと分類されることが多いかもしれません。
恋愛小説
恋愛をメインに描いている小説です。とは言え、恋愛はさまざまな作品でも要素として加わってくるので分類が難しいところ。
ほかのジャンルでも、恋愛要素があったとしても、メインがなんなのか、という点に注視してみると良いでしょう。たとえば、SF作品で恋愛要素がある小説も存在しますが、その場合は分類はSFになります。
ファンタジー小説
SF小説と混同されることが多いですが、空想上の世界を舞台とした物語や冒険活劇のことを言います。
代表的なファンタジー作品としては、『ハリーポッター』や『指輪物語』が挙げられます。特徴としては伝承や神話をベースにしたものが多いと覚えておくと良いでしょう。
推理小説・ミステリー小説
謎解きがメインとなる小説です。有名なところで挙げられるのが東野圭吾や京極夏彦の作品です。
何か事件が起こり、その事件を解決するために物語が進んでいきます。事件は、「誰が犯人か」「どのような手口か」「動機は何か」を解明していくことがメインになります。
そしてミステリーの一分野としてあるのが「イヤミス」です。最近、代表的なところで挙げられるのが湊かなえ作品でしょう。これは「読むとイヤな気分になるミステリー」のことです。謎が解けてスッキリするというより、たいてい救いのない物語となっています。イヤな気分になっても大丈夫な、心が元気なときに読むようにしましょう。
政治小説
政治や政治家がメインとなる小説です。実際に起こった政治上のできごとや、フィクションまでさまざまです。
政治家自身が執筆することもあり、石原慎太郎氏が書いた『天才』は政治家の田中角栄氏をモデルとしたものになります。ほかに、有名な政治小説だと『レ・ミゼラブル』も政治小説に当てはまります。
歴史小説
実際の歴史をモデルとした小説です。日本では戦国時代や明治維新を舞台とした作品が人気があります。有名なところだと、司馬遼太郎、吉川英治の作品です。
また、歴史小説と似たジャンルに時代小説というのがあります。これは史実に基づかない歴史フィクションです。この場合、登場人物も架空の人物になります。
ライトノベル
ラノベとも言われるライトノベル。中高生をターゲットとした小説です。
恋愛やファンタジー、ミスリー、ホラーなどさまざまなものが描かれていますが、挿絵やイラストの印象が強いのが特徴。イラストを重視して購入する人も多いようです。
児童文学
こちらは小学生以下の子どもを対象とした小説です。
書き下ろしの小説だけではなく、もともと大人向けに書かれた小説を児童文学向けに書き直したものもあります。原ゆたかや上橋菜穂子作品が有名です。
官能小説
性的な描写がメインとなる小説です。
男性向けの女性との性描写を描いた作品が多くありますが、近年では女性同士のものやBLなどと細分化されつつあります。女性向けのものは、性的な描写よりも恋愛小説としての要素が強いものも多いようです。
作風で分類するものも
大きく純文学と大衆文学として分類することもできます。
純文学は芸術性に重視しているもの、大衆文学は娯楽性を重視した小説のことを言います。大衆文学はエンタメ小説とも言います。
分かりやすい例としては、純文学は芥川賞、大衆文学は直木賞の対象作品と考えると良いでしょう。
はっきり分けるのは難しい?
ジャンル分けはできるものの、いろんな要素が絡み合っている作品も多くあります。しかし、何がどういうジャンルなのかを把握していると、作品を探すときに分かりやすかったりします。また小説を書くときも、「このジャンルの小説を書く!」と決めておくと意外とサクサクと物語が膨らんでいくかもしれません。