小説の書き方で押さえておきたい原稿執筆の基本ルール7選|句点

小説は「作者が思い描いた世界を好きなように表現する」ツールです。内容はもちろん自由なのですが、書式や形式には一定のルールがあります。「意図があり、あえて狙って外す」場合を除き、ルールを守るのが正解です。

もちろん、一般的な小説と同じ形式なので読みやすいですし、新人賞などを狙う場合は「小説を書く基礎力」の一つとみなされます。自然と規則通りに書いている人も多いと思いますが、基礎から確認していきましょう。

もくじ

「」の最後に。は入れない

意外と入れている方が多いのですが、現代の小説では「」の最後は句点(。)は入れません。

!と?の後ろは一字あける

感嘆符(!)と疑問符(?)の後は、一字分の空白を設けます。ただし、()に入れて意味が通るものには入れません。

入れる例「ねえ! 聞いた?! びっくりしたよね」
入れない例「インチキおじさん?!登場」

数字は「漢数字」が基本

ただし、わかりづらい場合はこの限りではありません。たとえば紙のサイズ「A4」や、コンピューター用語などでは、漢数字だと不自然な場合があります。

「六百七十八メガバイト」より「678MB」の方が自然ですよね。その場合はアラビア数字を使用します。

三点リーダーとダッシュは偶数のセット

セリフ多用される「……」ですが、こちらは「そんなバカな・・・」と“中黒記号”で誤表記している方が多い印象です。必ず“三点リーダー”を使いましょう。基本的に2つセットの6個の……をつかいます。

長い沈黙を表す場合は「…………」と数を増やすことがありますが、その場合も、偶数セットで使用します。

カギ括弧の中に入れるなら二重括弧

セリフの中にセリフを入れる場合は、二重括弧を使います。

「ひらがな」を使って読みやすくする

一般的に「ひらがな」を使った方が良いとされている言葉が多数あります。

自分の事 → 自分のこと
貴方の良い所 → あなたの良いところ

などです。これには一定のルールがあります。

補助動詞

行って来る → 行ってくる
知って居る → 知っている
来て下さい → 来てください

形式名詞

知らない事ばかり → 知らないことばかり
今、出発する所です → 今、出発するところです
辛い時は休んだ方が良い → つらいときは休んだほうがいい

副詞

何故  → なぜ
予め  → あらかじめ
何れ  → いずれ
未だ  → いまだ
概ね  → おおむね
直ぐに → すぐに
遂に  → ついに
殆ど  → ほとんど
先ず  → まず
未だ  → まだ
等   → など
迄   → まで

当て字

普段目にする漢字でも、実は当て字というものがたくさんあります。当て字は基本的に使用しません。以下はNG例です。

出来る  → できる
可笑しい → おかしい 
出来る  → できる
沢山   → たくさん
兎に角  → とにかく
素敵   → すてき
無理矢理 → むりやり
無駄   → むだ
何時   → いつ
好い加減 → いいかげん
誤魔化す → ごまかす

などがひらがなで書いた方が良い例です。

同人誌では漢字を多用するケースがありますが“あえて”の場合を除き、極力ひらがな多めを意識するのがベスト。担当編集さんのチェックやプロの校正が入る商業の環境では必ず赤字が入るポイントです。

作品全体を通しての表記統一

同じ作品内で「タバコ」と書いたり「煙草」と書いたり、表記がブレないようにしましょう。

ただし、自分の父親を「親父」と表現した作品で、“オヤジギャグ”という言葉を使うのは仕様となります。また「一人で帰った」「独りで帰った」など表したいニュアンスによっての表記の違いは問題ありません。

番外編:慣習に従う

こちらに関しては小説ではなく文書や記事を書くときに状況判断により「ひらがな」を使用します。ルールではありませんが、慣例に従っておくと迷いがありません。

障害 → 障がい
子供1 → 子ども

  1. 文部科学省では「子供」に統一の指針を出しています。 ↩︎

書き出してみると、想像以上にルールがたくさん!全部覚えるのは大変ですが、自然と使いこなしているのではないでしょうか。きちんと使用することで読みやすく、しっかりした作品という印象づけられるので意識してみてくださいね。

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