昔は原稿用紙にカリカリ、パソコンでカタカタ……。もちろん、今も原稿用紙で書いている方、パソコンで書かれている方はたくさんいらっしゃると思います(原稿用紙で書いているときにしか思いつかないものもありますよね……)。
一方で、最近ではスマホで小説を書く人も増えてきています。普段、執筆にスマホを使わない人からすると、「どうやって……?」と悩んでしまうかも?
今回は、スマホで小説を書くときにオススメのアプリをご紹介します。今まで興味がなかった人も、気になるアプリがあったらぜひ試してみてくださいね。
メモ帳
まず、一番オーソドックスなの「メモ」アプリ。
シンプルに文章を書くことができ、アイディアや使いたいセリフなどを書きとめておくのにはとても便利です。
でも、あくまで「メモ」。短編小説なら問題ないかもしれませんが、長編となると少し見づらいかも?
ちょっとずつ書いて、最終的にパソコンでまとめる、という人には手軽と言えます。
iOS/Android標準のアプリから、Notion、Evernote、Microsoft OneNoteなどがあります。
Nola
「作家専用エディタツール」と謳っているのが「Nola(ノラ)」です。
原稿を書くだけでなく、プロットの作成に便利な機能や、登場人物・世界観の設定などをメモ、さらにそのメモを素早く確認できる機能も。使うだけで、「良い物語が書ける気がする!」という機能が満載。
例えば、プロット用のテンプレートがあり、そこに記入していくだけで話の骨組みを作ることができます。さらにプロットをまるで付箋を並び替えるように編集もOK。細かなエピソードを決めていくときなどには不思議なもので、骨組みができると執筆がしたくなるものです。機能を使って執筆を進めているうちに、作品ができあがっている……なんてことも!?
さらにテンションが上がるのが登場人物の作成ができること。画像項目の設定ができるので、お話も膨らみますね。
Nolaは無料版のほか有料版も。プロットで「起承転結」だけではなく、「序破急」と「カスタム」のフォーマットが使えるようになったり、原稿のフォルダ分けができるようになったりと、余計なものではなく、機能に「あると嬉しい」がプラスされています。
charasuji
創作を楽しむ人のためのWeb創作ノート。それが「charasuji(キャラスジ)」です。小説だけではなく、マンガに使用できます。
1作品ごとに「ブック」としてあらすじやストーリー構成、設定、キャラクターを管理。出来上がった作品を読み返すのにも整理ができているのでスッキリ。
また、作品作りの第一歩と言えるログライン作りをサポートする独自機能も。ログラインとは、物語の内容を手短に説明するもの。ログラインがあることで、これから書く物語のプレを防ぎます。
また、「charasuji」では自分のキャラクターを登録し、そのキャラクターを更新、成長させることができるというゲーム的要素も。細かな設定を加えていくことで、キャラクターの魅力も変わっていくので、自分の作品のキャラクターづくりにも生かせそうです。
NOVEWRITE
まさに小説を書くためにあるようなアプリの名前の「NOVEWRITE」。
基本的な執筆機能がついているのはもちろんですが、執筆をスタートさせる際に、自分が投稿したい小説のサイトを選択すると、そのサイトに対応したルビ形式になります。小説投稿サイトをよく利用する人にはとっても便利な機能となっています。ひとつの小説を、いろんなサイトに投稿する人にもオススメです。また、プロットや資料なども一括で管理ができて、タブ移動で簡単にチェックができます。
同期機能があるので、パソコンからもアクセスできます。
ストーリープロッター
プロットを作ることに特化したアプリで、小説だけではなくマンガにも活用できるのが「ストーリープロッター」です。
「起承転結」を細かく分けてお話の作り方を誘導してくれます。今まで物語を自分で作ったことがない、途中で書くのを断念してしまった、という人が使うのにも◎。また、短編か長編か選ぶことによって、プロットの執筆率を表示してくれます。ゴールが見えやすいのでやる気が出ますよ。
ほかにも、シーンや会話などをメモしておくネタ帳機能や、人物相関図や世界観を図で作成できます。設定が入り組んでいる作品を作るときにもぴったりです。
そして、書き手にも嬉しい(?)のがアラーム機能がついていること。自分で〆切を設定しておくと、アプリがお知らせをしてくれます。〆切を設定することで、完成しなかったかもしれない作品が完成するはず!
PenCake
「PenCake」は実は日記アプリ。でも、小説を書いている人の間でも利用されています。
シンプルなデザインで、「書く」ことがメイン。本文には写真を挿入することができます。物語のイメージを膨らませるために、場面に合った写真を入れてみるのもいいかもしれませんね。逆に、好きな写真を選んで、その写真に合わせた作品を書く、という方法もありかもしれません。
シンプルなので、推敲もやりやすいアプリですね。
Google ドキュメント
「Google ドキュメント(Google Docs)」もシンプルなアプリ。自宅でWordで書くように、小説を書くことができます。便利な機能は特にいらない、ただ自分が書きたいものだけを綴りたい……という人にはオススメです。
また、中にはプロットや登場人物を考えるためのフォーマットがあると逆に考えが膨らまない、という人もいるのでは?
もしくは、いろいろと設定を考えすぎてがんじがらめになってしまった!なんてことも。そういうときは原点に戻ってシンプルなものを使うのがいいかもしれませんね。
それぞれ集中できる執筆スタイルがあるように、アプリも自分に合ったものがあります。まずはいろいろと使ってみるのがベスト。使うときに戸惑いが多くないか、使いづらい、見づらいと思わないか、という点をチェックしてみましょう。その中で、相性がいいものに出会えればハッピー。
もし、合うものが見つからなかったら、今までのやり方が一番合っている、ということなので自信を持ってそのやり方で執筆を続けましょう。
また、機能満載のアプリを作っているうちに、小説を書く上で自分がどの工程が一番苦手か分かってくる場合も。プロット作りが苦手なのか、世界観を作り込むのが苦手なのか……苦手な部分だけをアプリで補ってみてはいかがでしょうか。