物語音楽と出会って書いたら新たな日常が芽生えた|みかげさんインタビュー

創作活動をされている方のリアルを聞く。今回はみかげさんにお話しを聞きました!

――まずは自己紹介をお願いします。

「みかげ」というペンネームで、一次創作と二次創作の小説と写真で活動しています。写真は昔コスプレイヤーもやっていたので、その延長でポートレートや風景画を撮っています。

――創作活動をされようと思われたきっかけは何だったんですか?

創作活動は十数年やってるんですけども、中学生の時インターネットが家に引かれたときに初めて「同人」の活動を知りました。当時「キノの旅」がとても好きで、その二次創作をされているという方々を見つけて、私もやってみたいなと思って小説を書き始めました。

好きな作品をYahoo!とかで検索して、色々記事見てるうちに同人サイトに引っかかって、こういうことやってる人たちもいるんだって。こんなに絵が上手いのに趣味でやってる人たちがいるんだ、私も何か小説を書いてみたいなと思ったのがきっかけです。

――二次創作の小説が最初だったんですね。

ラノベが結構好きで、その都度ハマってたラノベだとかジャンプだったりの二次創作をいろいろやっていました。10年前に「カゲロウプロジェクト」という作品がニコニコ動画ですごく流行っていて、その作品が好きでオフ会を開いたり即売会に出たりしてお友達がたくさん増えて、今も付き合いのあるお友達はだいたいそこからです。

それ以前の付き合いといえば個人サイトの世界でしたので。「カゲロウプロジェクト」をやっているころにTwitterやSNSが広がっていったのもあって、ずっと付き合いがあります。

――普段からもお付き合いがあるんですね。

そうですね。一次創作やりだしたのはここ2年ぐらいの話なんですけども。二次創作は未だにジャンルが合えば絵描きさんに表紙を描いて欲しいとか、寄稿して欲しいっていう話をしたりしています。

――交友関係から創作への何か影響はありましたか?

ターニングポイントになったのは3年前で、とある歌い手さんから「物語音楽をやりたいからその小説を書いて欲しい」という依頼が来て、一本書いたんですよ。それで一次創作も楽しいと思って書き始めたのはここ2、3年の話ですね。

この物語音楽から、今まで知り合いになる機会のなかった音楽や動画を作る方々とも知り合って、いろんな表現方法があるんだなって一気に視野が広がりました。

――物語音楽ってどんなものですか?

ひと昔前で言うと「Sound Horizon」「カゲロウプロジェクト」もその一環で、音楽の中に物語が入っているものです。ボカロで言うと「悪ノ娘」とか。ある歌い手さんを中心にそこを通ってきた世代たちが集まって、私も混ぜていただきました。

――物語音楽と関わって、みかげさんは(二次創作から)一次創作へと芽生えたんですね。コスプレイヤーのころのご経験は影響ありますか?

コスプレイヤー自体は十年以上前に辞めていて既に昔の話なんですが、今はコスプレイヤーさんとカメラマンさんって役目が二分してる時代じゃないですか。現役の時はコスプレイヤー同士で取り合いをするのが主流だったので、カメラが使えないとダメだったんですね。そこでカメラの知識を得て、カメラの練習として日常スナップなどを撮り始めて、コスプレを辞めた今でも景色などを撮っています。ある程度撮り溜めたら写真集にしています。

――過去と現在が線でつながっている感じがしますね!

ずっとやってるっていうと言葉はいいんですけども、変わり映えがしないとか、同じことの繰り返しだからマンネリになるとか、それの表現方法に執着しちゃってるとか、そういう悩みもあります。もっとスキルが欲しいなとか。

――創作活動されているなかで、一次と二次の比重は変わりましたか?

今は一次が8で、二次が2です。(活動を始めたころからは)逆転しましたね。

――現在はどういった活動をされていますか?

一次創作に関してはまだ冊数が出せてないんですけども、1作目はその音楽物語の企画に関わらせていただいた和風ファンタジー物で、それは既に下地があったので完全に私がいちから作ったわけではないのですが、それを書きました。

完全にいちから自分で作った一時創作を初めて本にしたのが今年入ってからです。私は海外文学が好きなので、2人の女の子の思春期だったりとか、その前ぐらいのキラキラしたような心や葛藤だったりとかを描いた作品です。読書や映画(洋画)を観るのがとても好きなので、それと海外文学を組み合わせた感じで。そういう世界観が好きなんですよね。

その作品は、元々私がメンタルが弱いタイプで、一番不調だった時期に思い浮かんだ風景をベースにしています。イングリッシュブルーベルという綺麗なお花があって、その花が咲くお庭が頭の中に何度も浮かぶんです。これを小説にしたいなと思いました。そこからいろいろ構想を練っていって、だから頭の中の映像から始まった感じです。

特にイングリッシュブルーベルは、夫の仕事の関係でほんの少しだけイギリスにいたことがありました。イングリッシュブルーベルっていうとイギリスの春の象徴みたいなところがあって、実際にはブルーベルの森には行ったことがなかったんですけど、多分どこかで私は見たんでしょうね。一番楽しかった思い出がイギリスの生活だったので、調子が悪いときにイギリスの風景が思い浮かぶんですよ。私の中でそれが映像になり物語になったものを抽出しました。

――インスピレーションの湧き方がすごい素敵ですね!イベントに作品を持ち込んだりとかはありますか?

イベントに出る前はpixivなどで公開するだけでした。イベントに出るのはハードルが高いなと思って。私ごときの腕前で本を作るのはおこがましいと、本気でそう思ってました(笑)。まだそのレベルまで到達してないなって思ってたんですけど、周りの先輩たちがあまりにも気軽に本を出されてたんですよね。それで「みかげさんも本出してよ」と(笑)。

で、乗せられるまま出して、実際出してみたら楽しいんですよね。イベントで目の前で手に取ってもらえたりとかして、そこからは気軽に本を出すようになりました。

――最近イベントは参加されていますか?

(ところどころで)ジャンルを離れていたりもしていてイベント参加もしていなくて、年に1回通販で写真集をちょこっと出していました。

ただ、コロナ禍になってからオンラインのイベントって増えたじゃないですか。ピクスク(pictSQUARE)とかが契機でしたね。最初はちょっと身構えてたんですけども、古株のお友達とかが参加してるのを見て、ちょっとやってみようかなと思って自分も試しに参加してみたら結構楽しくて。

通販って対面で売れないっていうデメリットもあるんですけども、私の子供が1歳半でまだ小さいっていうのもあって、気軽にイベントには出れない。でもイベントっていうものに乗っかって何か本出したいとか、作品を知らせたいって思った時にオンライン即売会って良いなと。(オンライン即売会は)参加料も安いので、『一次創作』とかでピクスクで調べてヒットしたイベントに片っ端から申し込んでます(笑)。

――紙の同人誌は今でも印刷されていますか?

以前に比べてペースは落ちましたね。でも書いたら本にしたいっていう気持ちはあるので、今年は小説本をもう1冊出す予定です。それからダウンロード販売で詩集を出そうと思っています。

他にもご依頼された小説があったりとかで、やりたいことを詰め込んだ結果、既に今年の原稿スケジュールがタイトになっちゃいました(笑)。

――お子さんもいらっしゃるのにそのスケジュール感はすごいですね!さいごに、もし伝えたいことがあればお願いします!

基本的に有償にはなってしまうんですけども、ご依頼をお受けしています。もしご興味があればTwitterアカウントをご覧ください!お願いします!

――お話いただきありがとうございました!

過去コスプレイヤーさんで、そこで写真も覚えたというみかげさん。好きな海外文学だったり「楽しかった思い出」の数々が頭の中で組み合わさって作品になっているとは。コロナ禍に始まったオンライン即売会が「楽しくなる思い出」にまたなっていくのかもと感じました。(Dounats編集チーム)

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