同人誌を頒布するとなると、やはりイベントです。好きな傾向が同じ人との出会いもありますし、もちろんその場でしかない一期一会の同人誌との出会いもあるはずです。
でも、出店する側としては同人誌が毎回、完売するとは限りません。むしろ残るケースのほうが多いでしょう。と、なると、残った同人誌はどうするのでしょうか。
家で保管?そして次のイベントに既刊として並べる?その選択肢に通販を加えてみるのはいかがでしょうか。
在庫を家で保管……そのデメリットは?
通販ってめんどくさいな……、それなら次のイベントで出せばいいか!と思うかもしれません。でも、家に置いてある間は当たり前ですが、在庫は減らないのです。在庫が減らないのはそれだけデメリットのひとつと言えるでしょう。
また、在庫を見るたびに「これだけ売れなかったんだな……」と気に病んでしまう人もいるかもしれません。中には、在庫の同人誌が入った段ボールを見るだけで落ち込む人も。
自分が丹精込めた作品だからこそ、大切にしているわけですが、そんな大切にしている作品を目にするたびに落ち込んでしまうのは辛いですよね。
さらに、家で保管していると、保管方法によっては同人誌が傷んでしまう場合もあります。大事な同人誌が傷むのも、同人誌を見て落ち込むのも辛いですよね。と言うわけで、通販がここで役に立つのです。
【方法1】書店委託
同人誌の委託業者というものがあります。これは手数料をもらって、通販や実店舗で同人誌の販売を代行する業者のことを言います。販売を代行するので、もちろん在庫も保管してくれます。
書店委託にはいくつかのメリットがあります。
まずは在庫を引き受けてくれるということです。場所も取らず、どれだけ在庫があるのかを視認することもなく、気持ちが軽くなるかもしれません。
さらに、イベント以外の期間でも同人誌を販売することができます。いつでも、どこでも、あなたの同人誌を買えるようになるので、在庫も次第に減っていくことに。これで、自宅で保管する際のデメリットが一気に解決します。
代表的な書店として「とらのあな」「メロンブックス/フロマージュブックス」「まんだらけ」などがあり、一次創作では「架空ストア」があります。
そして、通販最大のメリットは日本中のどこに住んでいたとしても、自分の同人誌を届けることができることです。
イベントに同人誌を買いにいけないという人はたくさんいます。仕事が忙しい、そもそも遠方のため買いに行くことができない、育児や介護で家から離れられない人もいるかもしれません。そういう人にも、同人誌を届けることができるのです。
つまり、同人誌を購入できる層がグッと広がるということになります。ファンだけど、同人誌が買えなくてつらい……と思っていた人を救うことにもつながるのではないでしょうか。
もちろん、デメリットもあります。
それは販売手数料がかかるということ。
販売価格の3割から4割程度が販売手数料として差し引かれます。この手数料が高いと感じるか、妥当か、もしくは低いと感じるかは個人差があるでしょう。
ただ、在庫の保管や梱包、発送などの手間を全て負ってくれているのは大きなポイントと言えます。
【方法2】自家通販
自家通販は、自宅から通販を行うことです。これは自分で在庫を管理し、発送なども行います。通販の受付はさまざま。
SNSで受け付ける場合もあれば、BOOTHなどのサイトを利用する場合も。比較的、親交のある人への発送なら、SNSで受け付けても問題ないかもしれませんが、全く知らない人から受け付ける場合はサイトを経由するほうが安心と言えるのではないでしょうか。どちらの方法だとしても、手数料がグッと抑えることができます。
在庫を自宅で保管することは変わりはないですし、発送をする手間もかかります。ただ、通販の申し込みの際に、購入してくれる人とコミュニケーションをとることもできます。
発送の際にメッセージをつけたり、少し梱包を凝ってみたり、と自分ならではの工夫もできるのがポイント。こういった作業が好きだという人、発送の手間が苦にならない、また、在庫が少なくて、通販するとしても少量だという人はチャレンジしてみてもいいかもしれません。
初めての通販は不安があったり、面倒だな、と感じることもあるかもしれません。ただ、一度チャレンジしてみると、意外な自分だけのメリットが見つかる場合も。通販を悩んでいる人は、難しく考えずに一度やってみては?