【まとめ】同人誌の基本の作り方〜頒布までを徹底解説!|全体像を掴む

素敵な原作を読んだときや、推しのキャラクターから思いが膨らんだときに、私も同人誌が作りたい!という気持ちになる時がありますよね。

初めての同人誌を作るけど、何から始めたらいいの?

どういうふうに原稿って作っていけばいいの?

本以外に頒布するのに必要なものはあるの?

といった初心者さんが迷ってしまいそうなことをまとめました。

もくじ

同人誌ってなあに?

同人誌とは、同じ趣味を持つ人同士が集まって創作をし、自費で制作する「同人雑誌」の略称になります。「同人」の意味が分かれば、とても分かりやすいですね。

また、同人誌の中には大きく分けて2種類あります。

ひとつめはオリジナルです。これは、自分でイチから創作するマンガや小説のことで、一次創作とも言われています。

もうひとつは二次創作。好きな作品を題材にして創作するマンガやアニメです。例えば、あるアニメの主人公とキャラクターAの関係性を想像して創作したものは二次創作になります。

ただ、注意していただきたいのは、二次創作は著作権的にはグレーゾーンだということ。基本的に、許可なく二次創作物を不特定多数に頒布することは著作権侵害になります。

二次創作活動はファンの活動の延長線上であり、非営利目的のものであり、二次創作との相乗効果で黙認されているものが大半です。そのことは頭に留めておくようにしましょう。

まずは同人誌の基本の作り方の全体像から!

STEP
本を頒布する場所や日取りを決める
STEP
本で伝えたい内容(コンテンツ)を決める
STEP
本の内容からデザインや装丁加工を決める
STEP
期限までに原稿を書き上げる
STEP
印刷会社さんに注文して原稿を入稿する

【ステップ1】本を頒布する場所や日取りを決める

どんな方法で本を頒布するのかを考えておきます。

初めての方はオフラインで実施されているイベントに参加するのがおすすめです。会場で読者さんと直接ふれあえるので、次の作品作りのモチベーションにもなります。近くでイベントが開催されていない場合は、オンラインの参加も検討してみましょう。

参加したいイベントが決定したら申し込みをしましょう。先に参加するイベントを決めておけば、いつまでに本ができていないといけないのかといったスケジュールも立てやすくなります。

ただし、イベントによっては頒布できる作品にルールや制限がかかっていることがあります。たとえば、オリジナル作品のみ、二次創作の特定の作品のみだったり。イベント申込時に注意事項をよく読むようにしましょう。

イベント会場の規模や場所(オンラインかオフライン)によって参加費は違うので、事前に確認しておくと良いですね。

【ステップ2】本で伝えたい内容(コンテンツ)を考える

同人誌を作るにあたって一番大切なのが、内容(コンテンツ)です。

同人誌といってもいろんな種類がありますよね。オリジナル(一次創作)を書くのか二次創作なのか。絵を中心にしたものにするのか、文字を中心にしたものにするのかを、最初に決めましょう。絵ならマンガなのかイラストなのか、文字なら小説なのか評論なのか、軸になる部分を決めます。

たとえば、二次創作を小説で書こうと決めたとします。

そうしたら次はどんな内容にするかを決めましょう。メインキャラクターはだれにするのか、見てみたいシチュエーション、言ってほしいセリフなど心の中でたくさん妄想を膨らませましょう。実際に紙に箇条書きや文章でメモしてもいいでしょう。仮でもタイトルを考えておけば、よりイメージが膨らみやすいかもしれませんね。

【ステップ3】本の内容からデザインや装丁加工を決める

さて、本の内容(コンテンツ)が決まったら、いよいよ原稿にとりかかりたい気持ちはわかります。その前にいったん決めておいたほうがいいことを確認しましょう。

予算

同人誌を作成するのに欠かせないもののひとつが予算です。予算が決まっていないと印刷方法など何も決められません。自分が使える予算はどれくらいかを考えておきます。

あまり具体的にではなく、ざっくりこれくらいでという感じで大丈夫です。そこから足りないお金を貯めたりと、先の予定も立てやすくなります。

どうしてもお金が厳しいというときには、自分で本を作ることも選択肢に入ってくるかもしれません。

印刷方法

印刷会社さんによって違いますが、かつてはオフセット印刷が主流でしたが、オンデマンド印刷も多くなっています。(オフセットとオンデマンドの違いはまた別の記事でご紹介しますね)

他にも自宅のプリンターやコピー機などで印刷して自分で製本する方法もあります。

印刷所に印刷から製本までお願いするのか、自分で印刷して製本するかで、原稿の作り方や手順なども変わってくるので、最初に決めておきましょう。発行部数、ページ数、そして先ほどの予算をある程度決めるといいと思います。

ちなみに、パソコンで作らないアナログ原稿を受け付けてもらえる印刷所は限られていたり、オプション料金が発生したりするため要注意です。金沢印刷さんはアナログ原稿に強いのでおすすめです。

【ステップ4】期限までに原稿を書き上げる

本の内容(コンテンツ)、印刷方法が決まったら、次はいよいよ原稿作成に取り掛かっていきましょう。

原稿には、表紙と裏表紙、本文、奥付が必要になります。

表紙と裏表紙

本を手に取って最初に目に入る部分のことです。いってみれば本の顔です。

読者さんはこの表紙で本を購入するかを決める「ジャケ買い」もあるので、とても重要な部分にあたります。

裏表紙というのは、本を裏返したら見える部分です。表紙と裏表紙は一枚の平面でつながっている部分のことです。時々、裏表紙のことを、表紙をめくったすぐ次のページのことだと考えている人がいますがそこではありません。

印刷会社さんが表紙のことを表1(ひょういち)、裏表紙を表4(ひょうよん)と呼ぶことがあります。

また、本のページ数によっては、表紙と裏表紙の間に、背表紙を作ることもできます。背表紙とは本のタイトルや作者の名前を書けるスペースのことです。

印刷会社さんに印刷をお願いするのであれば、原稿の形式(フォーマット)やルールを確認しておきましょう。

もしも対応不可能な形式で作成してしまった場合、せっかく作った原稿が印刷してもらえない可能性もあります。実際に表紙の作成に取り掛かる前に、かならず印刷会社さんの情報を確認しておきます。

原稿のテンプレートもダウンロードできるところが多いので、ファイルの作り方がわからない方は迷わず使いましょう。

本文

本の内容(コンテンツ)そのもの、マンガやイラスト、小説などの部分です。メインコンテンツを本文といいます。一番時間をかけるのがこの本文原稿になります。実際に本文を作成する前に、自分がどのような原稿を作成したいかを決めておきます。

原稿用紙のサイズ

よく使われている同人誌のサイズはA5とB5でしょうか。A5が女性向け、B5が男性向けに多いように思いますが、イラスト集などでA4もみることがありますね。どの大きさが自分の作品に合うかを考えるのも楽しいですね。

奥付

奥付とは、本文が終わった後に設けられる「本の責任がどこにあるかを示すもの」です。

具体的には本のタイトル、本を発行したひとのサークル名や創作者の名前(本名である必要はありません)、発行日と発行者の連絡先(メールアドレスやSNSアカウントなど)と、印刷会社名が必要になります。

もしも本文の最後に奥付をいれるスペースがどうしても作れなければ、裏表紙などにいれてもOKです。

印刷所で印刷する場合は、この奥付がなければ印刷してもらえないので注意しましょう。

自分で印刷するときも同じです。もしも読者さんが「感想を伝えたいけど奥付がないからどこに連絡すればいいのかわからない」なんてことになってしまうと悲しいので、いずれにせよ入れましょう。

【ステップ5】印刷会社さんに注文して原稿を入稿する

事前に印刷会社さんに予約を取っておきます。

予約を取っておかないと大型イベントのときには枠が埋まってしまって、受け付けてもらえないことがあります。そのため、先に予約をしてから、原稿ができた時点で注文することをおすすめします。(予約不要な懐が深すぎる印刷会社さんもあります)

原稿がひと揃い完成したら、いよいよ印刷会社さんに入稿です。印刷所の指定する形式で原稿を送ります。

データの場合、専用のページでアップロードするのか、指定されたサーバーにFTPで送るなど、入稿方法を確認しておきます。アナログ原稿の場合、印刷会社さんに届くまでに時間がかかります。原稿が仕上がったらすぐ封筒などに入れて送れるように準備しておきましょう。

納品先も注文時に指定します。

同人誌専門の印刷所にお願いすると、仕上がった本を自宅へ送ってもらうのか、直接イベント会場の自分の出展スペースに送ってもらう(直接搬入)のか、決めることができます。または、宅配で指定場所に送りイベント当日決まった時間内に受け取る(宅配搬入)に対応している印刷会社さんもあります。

昨今は印刷の知識がなくても同人誌を作ることができます。同人誌専門の印刷会社さんであれば、原稿の作り方やわからないことを相談できるのがほとんどです。思い切って電話して聞いてみましょう!

【ステップ6】イベントなどで同人誌を頒布する

どうやって同人誌を頒布するの?

同人誌の頒布の方法は大きくわけて3つ。

即売会などのイベントへの出店、ネット通販、同人誌を扱っている店舗への委託です。イベントへ出店し、ネット通販や委託を併用するという人も多いようです。

イベントでは、夏と冬に行われるコミケこと「コミックマーケット」や、赤ブーブー通信社主催の「COMIC CITY」「FES」などが有名です。また一次創作では「COMITIA」といったイベントもあります。

どうやってイベントに出るの?

詳細はイベントによって違いますが、ネットや郵送で参加を受け付けているイベントが大半です。

申し込み方法や費用はイベントによって異なるので、注意事項をよく読んで応募するようにしましょう。申し込み多数の場合は抽選になる場合もあるので気をつけてください。

赤ブーブー公式ガイド:サークル参加に挑戦しよう。
https://www.akaboo.jp/guide/item/p0002.html

イベントへの参加が決まったら、あとは同人誌を作るだけ! 自分のパッションを詰め込みましょう!

注意しなければならない点もありますが、同人誌を作ることも、イベントに出ることもとても楽しいもの。気になる方はぜひ勇気を出して一度参加してみてくださいね。

その他用意しておきたいもの

イベント会場で頒布するときに用意しておきたいものをご紹介します。

かざりつけグッズ

イベント会場当日、自分の割り当てられたスペースで本を頒布します。その時に本だけを直接ならべてもかまいませんが、ブースに本のイメージにあった布をかけたり、ディスプレイ用のグッズを置いておくと良いです。大き目で分かりやすい価格表を置くのもお忘れなく。読者さんが本を取りやすい雰囲気にしてあげてくださいね。

おつり用の小銭

お釣り用の小銭も両替して用意しておきましょう。安さにこだわるよりは小銭を出さないような金額にしてあげたほうが親切です。598円なんかが一番困ってしまいますね。そのあたりの金額にしたい場合は600円にしましょう。

筆記用具

「スケブ」を依頼されることもあるかもしれません。読者さんからスケッチブックをいただいて即興で何か描くことを「スケブ」と言います。スケブのマナーなどは、また別の記事でご紹介したいと思います。

もしスケブを受ける場合は、筆記用具がないと対応できないため、自宅から持っていくようにしておきましょう。(イベント会場で購入できることもあります)

以上が同人誌制作と頒布までの大まかな流れになります。初めて作った同人誌がたくさん手に取ってもらえることを祈っています!

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