創作するときによくあるステレオタイプ的な考え方4選|固定概念の身近な例

ステレオタイプ」という言葉を聞く機会は多くあると思いますが、どういった意味かご存じですか?

これは多くの人に浸透している固定概念や思い込みのことを言います。

「ステレオ」は音楽や音をイメージするかもしれませんが、実は語源は印刷用語。もともとはステロ版印刷からきている言葉で、新聞や辞書などの活字印刷に使われていました。ステロ版で印刷をすると、まるで型抜きで作ったように似たものができることから「ステレオタイプ」という言葉が誕生したと言われています。

察している人も多いかもしれませんが、あまり良い言葉とは言えない「ステレオタイプ」。思い込みで話を進めてしまい、物事の根本が見えていなかったり、他人を傷つけてしまったり。

今回は、創作で使ってしまいがちなステレオタイプな考え方をご紹介します。

もくじ

「女は○○」、「男は●●」

「女性はおしとやかに」や「男なんだから泣いてはいけない」などといったジェンダーによる思い込みです。

例えば、女性が重そうな荷物を持っているのを見て男性が「こういうのは男に任せて!」と言ったり、「女なんだからそんな重い荷物を持たなくていいよ」などといったことも思い込みによる表現になります。

また、「女性のほうが家事や育児に向いている」というのもステレオタイプです。男女問わず、向いているかどうかは人によります。

都会は、田舎は、

地域性や県民性も、ステレオタイプとして扱われやすいものです。「都会の人は冷たい」と言いますが、本当にそうでしょうか。また、都会と言ってもさまざまな都会があります。

また、よく言われるのが、「田舎の素朴な子」などということ。田舎に住んでいるすべての人が素朴かというと、決してそんなことはありません。都会で暮らしている人の中にも、素朴な人はいるはずです。

県ごとでひとくくりにするのも避けたほうがいいでしょう。方言なども、実はとても繊細なこと。創作に用いるときはきちんと調べてからにしましょう。

血液型

血液型占いなどもありますが、血液型による性格診断に学術的な根拠はありません。「A型は几帳面」「B型の人はマイペース」などと決めつけるのは避けたほうが良いでしょう。

ただ、キャラクターを形成する上で、設定として血液型を決めるのは悪いことではありません。

学術的な根拠はありませんが、先入観として、血液型により性格の差はあります。ひとつの要素として取り入れるのは悪いことではなさそうです。

国民性

「日本人は控えめ」だとか「仕事熱心」などといったことを言われますが、これについても思い込みのひとつです。

控えめではない人だっていますし、あまり仕事を熱心にしない人だっています。外国人の描写において、「個人主義だ」とか「何をするにしてもダイナミックだ」などというと、書き分けができにくくなってしまいます。

ということで、まとめです!

ステレオタイプの表現になってしまうのは、主語が大きいから。

「女性は重い物を持たないほうがいい」も「貴女は重い物を持たないほうがいい」なら印象は変わってきます。また「持たないほうがいい」のはなぜなのか、理由がどこかにあるとより良いでしょう。

体調が悪いから持たないほうがいいのか、それとも力があまりないから持たないほうがいいのか。そういったことを加えていくと、キャラクターのディティールもより作り込まれていきます。

全体を見るのではなく、個を見た表現にすることで、ステレオタイプな表現を避けることができるはずです。

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