毒か薬になる文章しかいらないのかもしれないけれど。【ショートコラム】

ライターという仕事柄、毎日のように書いている。取材がなければ、朝から晩まで書いているし、それが苦だとは思わない。〆切に追われているときは別だけど。

休憩時間は主にお金にならないものを書いている。絵を描く人が言うところの「らくがき」に近いものかもしれない。ライターの中にも文章を書くのが好きな人とそうでもない人がいるけれど、私はおそらく前者だろうな、と思う。

でも、そんな中で書くのが嫌だなあ、という気分になるのが、故意に誰かが嫌な思いをする文章だ。創作物での後味が悪いなどではなく、シンプルに人が傷つくようなもの。誰かのゴシップだったり、嫌味、悪口だったり。特にSNSは顕著で、人の悪口をずーーっと言っている人もいる。なんというか、そういうものを書くたびに、魂が濁っていくような。

まあ、そんなお前が一言も人の悪いところを言ったことがないのかというと、やはりそんなことは決してないけれど、好きなことでわざわざ魂が濁るようなことはしたくないな、と思うわけで。綺麗ごとにしか過ぎないのだろうけれど、これがいいのか悪いのか。

そんな毒にも薬にもならないようなことを書いていて、誰が読むのかと言われても仕方がないかもしれない……などそんなことをぐるぐると考える週末である。

Text/ふくだりょうこ

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