アマプラのおすすめホラー映画「アサイラム」物3選【2024年】

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これまでにご紹介したコラム「ミュージカル映画」の明るい雰囲気とは対照的に、今回のテーマは「ホラー映画」です。様々なジャンルの作品に触れることは、創作活動において大きな刺激になります。

しかし、ホラー作品は敷居が高くて、何を選べばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はホラー映画愛好家の方に、おすすめの作品や見どころを語って頂きました!

恐怖と笑いは紙一重、そんなホラーが好きな者です。

ひとによって怖いものは違います、血が怖い闇が怖いピエロが怖い。

ですが種類や度合いは違っても誰しも恐怖感を持っている、そこで繰り広げられる線引き駆け引きは正解がありません。そこがおもしろいところでもあるのですが!

今回はホラー映画のなかでも、人里離れた「絶景」のなか「隔離」され、医療の名の下での「治療」の害が登場する。そんな「アサイラム」物三作を紹介させていただきます。

三作共に基準となる時代設定は古く、おこなわれている治療行為は現代ではモラルや効果を疑ってしまうものです。

現代と作中の時代では常識が違いますが、どこが違うのか説明はされませんし、観客サイドはそれらの事情を知らないことが考えられます。

どのていどの説明をし、なにをそぎ落として物語を構成していくか。いずれの作品も、観客に伝えたいこと、伝えるべきことの取捨選択がされた結果、一本の映画として完成しました。

プロットを組んだりラフを考えたりする際、たくさん説明したくなることもあると思いますが、引き算に引き算を重ねていってもお話は成立していきます。

自由さと整合性のバランスの取れたホラーストーリーが、創作のアイデアを刺激になるかもしれません!

もくじ

シャッター アイランド

(2010年アメリカ/2時間18分)
主演:レオナルド・ディカプリオ

1954年、ボストン湾に浮かぶ孤島アッシュクリフ精神病院が舞台。絶海の孤島に建つその病院では、犯罪歴のある患者を収容・治療しています。

ある嵐の直前の日、施錠されていた病室から女性患者が消えてしまう。患者は自分の子三人を殺害した犯人であり、通報を受けた保安官がフェリーで島を訪れたところから物語ははじまります。

女性患者は謎のメッセージを残しており、それを手がかりに捜査を進めることに。

次々と現れる謎、病院内職員への不信感と猜疑心が絡み合った状態に陥っていく。そんな本作では、過去につらい経験をした保安官のトラウマ総ざらいのような過酷なシーンが続いていきます。

映像や音楽すべてに意味があり、公開時には「衝撃のラスト」というコピーと共に展開されていきました。

画面上の情報が多く、またどれも重要、という本作、一度目と二度目で感想が変わります。そこにある意図に気がつかなくても上質のストーリーであり、二度目の気がついた状態での鑑賞も、納得ずくでストーリーに翻弄される楽しみのある作品です。

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アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち

(2014年アメリカ/1時間52分)
主演:ケイト・ベッキンセイル、ジム・スタージェス

1899年、オックスフォード大学でおこなわれたヒステリーについての講義、そこから物語ははじまります。

精神医学を学ぶ俊英たちの視線の先には、「私は正常です」と訴える女性患者の姿が。当時の医療現場を象徴するシーンから場面転換したと思うと、今度は雪に埋もれた道で立ち往生する青年の姿が映し出されます。

精神科医を目指し、研修医経験のため青年がやってきたのは、吹雪く雪のなかに建つストーンハースト精神病院。煙る雪に守られるように建つそこは、身分の高い出自の患者を収容する病院でした。

研修医となった青年は院長の回診に従い、院内の状況を知っていきます。妄想を否定されない患者、類を見ない穏やかな空気に満ちた患者たちの歓談室。夜にはクリスマスパーティが開かれ、患者も医師もおなじテーブルで祝祭を喜び合う。

医療の常識から離れた治療方法の取られる病院のなか、研修医はピアノ演奏に長けた美しい女性患者に心惹かれていく。が、切迫した様子の彼女から「すぐに出ていって」と忠告されます。

そこから物語は急展開。静かだと思われた水面下、錯綜する狂人のモラルがあり、そこには善人としての一面があります。

病は倒すものか癒やすものか。様々な立場と視点が交錯する作品ですので、それぞれの目線を意識してみてください。

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アサイラム・バスターズ

(2015年ノルウェー/1時間33分)
主演:エレン・ドリット

現代のとある森、その奥地に建つ広大な廃病院に、取り壊しの事前調査のため男女五人が訪れます。

ヘリで荷物を運搬しなければならない環境に病院はあり、残された外部との連絡手段は衛星電話のみ……というこちらの作品は、先の二作と違い現代が舞台です。

人員がぎりぎりでの調査期間は短く、やることが山積み状態でのスタートになります。

院内で入手した図面で知った地下階の存在。過去その病院でおこなわれていた、結核患者の隔離やワクチン投与実験をはじめとする後ろ暗い出来事。画面はとても静かで、淡々とこれまでつまびらかにされてこなかった病院の暗部があらわれていきます。

しかし一行にとって一番恐ろしいのは、最初から間に合いそうにない工期です。

建物内で見つかった遺体も、ふいに現れる異様な人影も、要領を得ない言動の管理人の存在も、仕事の邪魔かどうかの基準で処理されていきます。

引き出される得体の知れないものが説得力を持つ院内の光景、時系列の合わないものがあり、閉鎖されているはずなのに……と首をひねるものがあり、所々に残されたメッセージが、すでに建物は何者かの手中にあると教えてくれています。

病院と湖を有する深い森の景観は、圧倒されるほど美しく雄大です。しかし実のところ森は冷徹な巨大な檻であり、一行は逃れることができるのでしょうか。

耳を澄ませるようにしての視聴がオススメの作品です。

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以上三作、現在配信サービスで視聴できます。

海外から入ってくるときに、邦題がつけられることがあります。タイトル、副題、キャッチコピーは自分でつけるときに頭を悩ませる難関……という方も多いのではないでしょうか?

原題と邦題の違いを考えることでも、創作の刺激になるかもしれません!

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