「評論」はひとつのジャンルとして確立されており、レビューを専門としている人や、批評家、という人もいます。大学の授業でもあったりします。
ただ、書評自体はもっとカジュアルにチャレンジできるもの。肩に力を入れず、一度書いてみませんか?
書評のメリットって?
本やマンガ、映画、ドラマなどなど、みなさん好きな作品はありますか?その作品のあらすじをサッと話すことはできますか?
実は文章を書くのが好きな人でも、あらすじを書くのが苦手という人はいます。受け取った情報をかみ砕いて、まとめなおして、発信する、というのは誰にでもできることではありません。ひとつの才能ではあるかも。昔から得意だったという人は、もしかすると国語の成績もよかったのでは?
つまり、あらすじの書き方は、練習することで上手くなります。同時に、受け取った情報をまとめるのが苦ではなくなります。
いまはあらすじにスポットを当ててみましたが、書評自体は「受け取ったものをかみ砕いて自分の言葉で伝える」ものなのです。そして、書評自体にもいろいろなスタイルがあります。
代表的な書評の書き方
あらすじ解説がメイン
あらすじを解説することで、その作品の魅力を伝える書き方です。
作品の内容に沿ってストーリーを紹介していき、自分の意見も加えていきます。注意したいのは、ストーリーを紹介することに集中しすぎてネタバレしてしまうこと。
どんないい作品でも、結末がネタバレされているとどうしても読もうという気持ちは薄れてしまいます。
自分の考えをまとめるタイプの書評
こちらはあらすじにはあまり触れずに、「自分がその作品を読んでどのように思ったか」という主義主張をメインに伝える方法です。こちらは、すでにその作品に触れたことがある人に向けてのものになるかもしれません。
自分でも何か作品に触れたあとに、「ほかの人はどんな感想を持っているんだろう?」「どんなふうに思っているんだろう?」と気になることはありませんか? そういうときに読みたくなるタイプの書評です。
自分の考えをメインとした書評は、共感ばかりされるわけではないかもしれません。でも、「こういう考え方もあるんだ!」と誰かの気づきになる可能性もあります。
書評の際に気をつけたいこと
その作品を読んで、自分が感じたことを思いのままにまとめる。もちろんそれで構いませんが、気をつけたいことがいくつかあります。
ひとつは貶さないこと。あそこがダメだ、ここが気に入らないなどとということばかりを書くのは避けましょう。いまの時代はSNSというものがあり、そこから著者本人が書評を目にする場合もあります。不用意に傷つけるような言葉を並べるのは避けたほうがいいでしょう。
逆に褒めてばかりなのも避けたほうがベター。褒めようとするあまり、作品の本質に触れていない場合もあります。そしてあまり褒めすぎると逆に「本当にそう思っているのだろうか?」と疑心暗鬼になる可能性も。褒めるなら、無理をしない範囲で。
あと、「中古で買った」とわざわざ書くのは避けましょう。中古では著者には印税が入らないので……。
素直な気持ちを書くのが大事
書評を書いたとしても、わざわざネットなどに公開しなくてもOK。自分がメモとして読むためだけに書くのもありだと思います。ネットに公開するとしても、あまり格好をつけようとしすぎないことが大事。あくまで、作品に触れて、どんなところで心が震えたのかを書き記すのが、著者にも、書評を読んだ人にも響くのではないでしょうか。